原神

ナヒーダと博士の会話を心理学分析!ダークトライアドの交渉術【原神・げんしん】

原神心理学!博士とナヒーダの会話から学ぶダークトライアドの交渉とフットインザドアテクニック!

こんにちはこばとーんです。

リクエストの多かったナヒーダと博士の交渉について解説します。

というわけで、今回は魔神任務第三章五幕「虚空の鼓動、熾盛(しじょう)の劫火」のネタバレを含みます。スメール編のクライマックスなので、まだやってない人がいたら終わらせてから観ることを推奨します。

なお、今回のストーリー動画は自分で録画素材を持っていなかったので、ペェモンさんからお借りしました。チャンネル主様にも許可いただいております。改めてありがとうございます!

では、行ってみましょう!

ナヒーダと博士の会話

教令院が仕組んだ創神計画を阻み、そして世界樹でマハールッカデヴァタと邂逅したパイモンと旅人、そしてナヒーダ。魔鱗病や世界樹の問題も解決し、一連の物語は無事に終わったかのように思えました。しかし、唐突に鳴り響く音によってその平和は異変を迎えます。

はい、いかがでしょう?

いままで扱ってきた心理戦とはまた違った、知能指数が高そうなやり取りが魅力の場面ですよね。早速分解していきましょう。

暴力による交渉

まず注目したいのは、暴力による交渉です。世界で最もシンプルでわかりやすい交渉術は「力」でしょう。

強いものが欲しい物を手に入れる。いちばん簡単な理屈です。

ドットーレの戦力は不明ですが、わかっている称号だけでもファトゥス第二位。かなりの戦闘力があると予想されます。旅人とパイモンを無力化した状態では、戦力においてナヒーダと博士ではかなりの差がある様子が伺えますね。

「対等な勝負のテーブルにつくには、前提として対等な暴力が必要」

これは間違いのない事実。特に原神のように個人の暴力で成り上がれる世界であればより顕著です。

稲妻なんかわかり易い例ですよね。三奉行による権力争いみたいなドロドロも多少ありましたが、結局最も強い雷電将軍が一番幅を利かせる単純明快な世界だったりします。

なので、博士はまず暴力をちらつかせてきました。

同じ土俵に上がる

幸いにも、ドットーレはどこかの雷電将軍みたいに無言で暴力を振るってくるタイプではありませんでした。

なのでナヒーダも彼女ならではの暴力を提示して、同じ土俵に上がります。

それが「神の心を破壊して天理を呼び覚ます」ことですね。

実際、それがどれくらいヤバいことなのかはプレイヤーにわかりません。ざっくり言えば「何が起こるかわからない」ってところでしょうか。

とりあえず、博士の反応から察するに、それは結構重大な行動なんでしょう。

少なくとも、「目的である神の心が破損すること+天理が呼び覚まされることによる不確定要素」という足し算がドットーレを止めるに足る条件だったことは確かです。

これによってナヒーダはようやく博士と同じ土俵に上がりました。

ビッグファイブ(FFPQ)で性格分析

ここで、さらに会話を深掘りするために二人の性格を分析しておきましょう。

性格分析にはビッグファイブとダークトライアドを用います。これは現在、心理学の分野で最も信用されている評価基準で、性格の大まかな全体像を捉えるのに非常に便利な方法です。

ビッグファイブについて詳しくは、こちらの動画を御覧ください。概要欄にリンクも張っておきますね。

本動画でも切り口を変えて説明しておきましょう。多角的に捉えると理解度が上がりますからね。

人間の性格を表す言葉には似た意味の言葉がありますよね。例えば「面白い」と「陽気」、「つまらない」と「陰気」みたいな感じです。これらの性格を表す単語を片っ端からグループ化していくとどうやら5つにまとまるぞ、ってことを心理学者達が解き明かして、体系化したものがビッグファイブです。

具体的には、調和性、外向性、開放性、誠実性、神経症傾向という5つの指標で人間の性格を評価します。

調和性は他人への親切さ。この指標が高いと宵宮やアンバーみたいな人懐っこい感じになります。逆に低いと八重神子やドットーレみたいな感じです。ちなみに、低いからと言って悪いわけじゃないので要注意。調和性が低い場合は交渉が上手だったりするケースが多いので、完全にネガティブな要素ってわけじゃないんですね。あくまで「そういう特性」って捉えるといいでしょう。

外向性は明るく積極的に他人と関わる性質です。荒瀧一斗やベネットが高い指標ですね。外向性が低い場合はコレイやスクロースみたいな内向型になります。内向的な性格も悪いわけではなく、物事や人間について深く考えるタイプが多い性格特性だったりします。これもあくまで性質を表す指標とお考えください。

開放性は知的好奇心の強さ。また、芸術への感受性なども含まれる指標です。なのでカーヴェやアルベドも高い適正のある項目ですね。逆に開放性が低いと保守的でルールを守ろうとする性質が強くなります。九条裟羅やメカの方の雷電将軍が該当しますね。これも良い悪いというより性質の違いです。このように、基本的にビッグファイブの指標は良し悪しではなく状態を表すものだと捉えると第一歩としてわかりやすいと思います。

誠実性はコツコツやり遂げる力。誠実性が高いキャラとしては白朮や魈が該当しますね。つらいことでも向き合って続けられる、みたいなニュアンスを掴んでもらえるとしっくり来ると思います。逆に誠実性が低いと衝動的に行動する性質が強くなります。荒瀧一斗みたいに合理的計画性よりも感情で動いてしまう性質ですね。

神経症傾向はメンタルの繊細さ。高いほど敏感なので、コレイやカーヴェが高い部類ですね。低いほどメンタルが強いので、ベネットやアルハイゼンが該当しますね。ある意味感受性の側面がある性質なので、カーヴェのような芸術家はある程度高い傾向にありますね。現実でもゴッホなんかは神経症傾向が高いことが作品に現れた芸術家です。

そして最後に、ダークトライアドとは、ビッグファイブに含まれない「ヤバい人格特性」のこと。 具体的には、サイコパシー、ナルシシズム、マキャベリアニズムの3つです。 サイコパシーは共感性の低さで、他人の感情を感知する能力が低い性質です。そのため相手が苦しんでいたり、痛がっていてもお構いなしの行動をしたりする特徴があります。

ナルシシズムは自分大好きな性質。多少持ち合わせている方が自分に自信が持てたりするので良かったりしますが、高すぎると「他人より自分が上」という感覚が強くなりすぎてしまいます。

マキャベリアニズムは目的のためには手段を選ばない性質。普通ならちょっと気まずくてやらないような手法もお構いなしにやってしまう特性です。

それぞれに利点もあるのですが、3つ揃ってると危険人物である可能性が非常に高くなることが知られています。

まあ、自分大好きで、その欲求を満足させるためなら手段を選ばなくて、他人を犠牲にしても全く気にしない、って考えればヤバい人なことはわかりますよね。

これらの指標を使って評価していきますね。

ナヒーダの性格

ナヒーダを分析するとこのようなグラフになりました。比較のために日本人平均を青線で示しています。

一つずつ見ていきましょう。

精神症傾向が低めなので、ナヒーダは比較的メンタルが強く、安定した精神状態を維持できる性質があります。スラサタンナ聖所に閉じ込められても長期間心が折れなかったところなどを鑑みても納得ですね。また、普段から合理的で感情が先走ることは殆どありませんよね。

外向性はほんの少し低め。と言ってもほとんど平均です。これは外向性も内向性もある状態。知恵の神なので考え事を好む内向性が強いのですが、自分から進んでスメールの民と関わろうとする外向性も併せ持っています。そのため結果として平均近くのところに落ち着いた感じですね。

誠実性はほぼ最高点。コツコツつらいことも続ける事ができます。幽閉されている間もスメール人の夢に現れて地道に人助けをしていましたし、開放されてからも民のために努力を重ねています。文句なしの満点ですよね。

調和性もほぼ最高点。愛情を持って他人と触れ合うことができます。ナヒーダはスメールの民を心から大切にしていますよね。今まで登場している他の神と比べても、価値観の違いこそあれど、ナヒーダは最高点で納得でしょう。

開放性も高め。高い知的好奇心を持っています。知恵の神ですから、これは高めで当然ですね。

ナヒーダのダークトライアド

次にダークトライアドです。

ナヒーダのダークトライアドはこんな感じになりました。

まあ低いですね。なんてまともな神様なんでしょう。

ここで一つ、ちょっとおもしろいことが起こったんで説明しますね。黄色い線が神様としてのナヒーダで、緑線が「もしナヒーダが人間の少女だったら」と考えて採点した場合の結果です。

どうしてこんなことをしているのかというと、ダークトライアドの判断に使う質問には「周りの人がそう言っているので私は特別な人間なのだと思う」みたいな質問があるんですよ。

この質問に点数をつけて回答することでナルシシズムを判定するんですけど、これ、神様だと当然じゃないですか?

同じように、神様として考えるとどうしてもナルシシズムの採点が高くならざるを得ない要素が多かったんですよね。

そりゃあ、このテストは人間用に作ってあるわけで、神様を判定するための質問じゃないので当たり前ですねw

なので、ちょっと考え方を変えてみました。もし、ナヒーダの性格がそのままで、人間の少女だったらどんな回答をするだろうか?といった観点で回答した場合が緑線です。

なので、緑線が直感的に感じる性格だと思っていただければいいかと思います。黄色線は神様成分ですね。

ドットーレのビッグファイブ

次にドットーレです。一つずつ見ていきましょう。

神経症傾向は非常に低く、メンタルが強いことがわかりますね。まあ、神と対峙してもふてぶてしいあの態度からこれは妥当な結果でしょう。

次に外向性。先程のナヒーダと同じで、思考が好きな内向性と、積極的に外部の人間と関わる外向性を併せ持っているのでこの数値となりました。

誠実性はほぼ最高点です。コツコツ苦しいことでもやり抜く力があります。ドットーレは自分の年齢別な分身を作るために貴重なリソースと膨大な労力をかけているようですから、実験の為ならかなりの誠実性を発揮する性質のようですね。また、教令院に入り込んで細工をしたりする過程でも非常に計画的に行動している点は誠実性が高いと言えるでしょう。

このように、誠実性とは「コツコツ計画的にやる能力」を指しています。ドットーレは「誠実」とは程遠い性格をしていますが、「誠実性」は高いんですね。普段使う単語とニュアンスが違ったりするので、このあたりは覚えておいてくださいね。

調和性はかなり低いです。他人への優しさは殆どないと言っていいでしょう。実際今まで描写されているシーンでも、他人に酷いことしかしていないのでコレは納得ですね。

開放性は高いです。知的好奇心が強いってことですね。ドットーレは実験のためならどんなことでもやりますから、開放性は文句なしの満点です。

ドットーレのダークトライアド

続いてダークトライアド。

なんということでしょう。美しい三角形ですね。

ほぼ満点です。すべての要素が圧倒的高得点。それも納得な内容で、まずサイコパシー。過去にコレイに対して行った人体実験をはじめ、スカラマシュやスメールの民を実験に利用してもなんとも思っていないその姿勢は満点のサイコパスですよね。

さらにその実験の数々は手段を全く選んでません。今回も欲しい結果のために自分自身をすべて消す、というとんでもないことまでやってますから、マキャベリアニズムも満点です。

そしてナルシシズム。神を前にして慇懃無礼な態度を取ってみたり、あからさまに上から目線で発言してみせる裏には「自分のほうが相手より上に決まっている」といった意識が垣間見えます。しかも相手は神ですからそのナルシシズムは文句のつけようもありません。ましてや知恵の神に知恵でマウントとってますからね。これ以上はないでしょう。

ドットーレはダークトライアドのお手本と言っていい存在です。

隙あらば自分語り、ドットーレの話術

さて、会話の内容に戻りましょう。

実は今回の会話ではキャッチボールが成立していない瞬間がそこそこあります。その原因はドットーレの自分語りです。

性格分析からもわかったように、ドットーレは知識欲が非常に強い性質があります。また、ダークトライアドがほぼ最大であることからも、その知識欲を満たすために手段を選ばず、他人を傷つけても全く気にならず、そして同時に、そんな自分が大好きです。そう、それこそ、自分が神よりも上だと思ってしまうくらいに。

よく聞いてみると、すべての発言が知恵の神を上から目線で見下していることがわかります。言い換えるとめちゃくちゃマウントが取りたいんです。

ドットーレがした行いに対するナヒーダの感想を聞く、という流れが何度かありますが、その度「知恵の神と言っても認識に束縛されるんすねww」「あ、その程度っすかww」「知恵の神が賭けとかいい出しちゃうの草www」みたいな発言をしています。

文章が知的かつ、声が良すぎるおかげでわかりにくいだけで、実はネットの煽りコメントみたいな内容しか喋ってないんですね。

ダークトライアドは平気で嘘をつく

会話内においてドットーレは平気で嘘をつきます。例えば最初に「安心しろ、私が彼女たちを本当に殺せば、お前が私を許さないことなど知っている」「私はお前と交渉をしに来たのだ、当然ながら双方の関係を壊すような真似はしない」と言ってますが、嘘です。

その発言の直後には脅迫してますし、内容的にも双方の関係なんて気にしていません。ナヒーダがドットーレを許さなくても別に問題にならないでしょう。

「知恵の神は尊重したい」なんて言っていますが、行動が全く伴っていないのでこれも嘘だとわかります。

マキャベリストは目的のためには手段を選びませんから、嘘も平気で使えるのです。

では、彼の目的とは何でしょう?

それはもちろん、神の心の回収です。

ですが、ここでおかしいポイントがあります。本当に神の心の回収だけが目的ならさっさと実力行使で取り上げてしまえばいいんです。そうですよね。だって武力では勝っていて、邪魔も入らないのですから。手段を選ばないならそれが一番です。

そう、つまり彼には神の心回収以外の目的があったんです。

ドットーレが大切にしているもの

狂気。そう表現して差し支えない強い願望がドットーレにはあります。それは知識欲であり、そのための実験であり、そしてその価値を認めさせること。ひいては「その価値ある実験をしている自分の価値を認めさせること」です。

平たく言えば承認欲求といえばいいでしょうか。

ただし、すべからくすべての民を見下している彼の承認欲求は簡単に満たすことはできません。雑魚におだてられても嬉しくないですからね。

彼が喜べるとしたら、そう、例えば「知恵の神と比べて上に立つ」くらいしかないのです。

だからわざわざドットーレはナヒーダに話しかけます。そしてマウントを取るんです。全ては「知恵の神よりも優れた知恵を自分は持っている」と満足したいから。

そして逆に、このポイントこそナヒーダが交渉で利用できる数少ないカードになり得ます。

ナヒーダの探り

ナヒーダは序盤の会話で信仰心についていくつかドットーレに投げかけます。これは、ドットーレの価値観を測っている行為と言えますね。

交渉においては、相手が大切にしている価値観や、通したい要求がどこにあるのかを把握することが非常に大切です。ナヒーダはまず、ドットーレの価値基準がどこにあるのか知ろうとしているんです。

ドットーレが神の心を回収しようとしている理由は、彼が信仰している氷の女皇からの命令だからです。しかし、彼は自分の手で「神を創る」という計画を行っていました。

自分が忠誠を誓っている相手と同等の存在を創ろうとする行為は、言ってみれば自分を神以上の存在にしようとしている行為とも言えるので、その矛盾をどう捉えているのか確認しているんですね。

そして、ドットーレの回答から3つのことが読み取れます。

まず、彼は教令院の創神計画に手を貸して成功率をあげることをせず、観測者の姿勢を貫きました。つまり「神を創ることが一番の目的ではなく、実験結果を得ることがより上位の目的である」と読み取れます。

さらに、氷の女皇への態度として「その時に対応する自分がどうにかすればいいから、私は知らん」という姿勢を取ってきたので、女皇への信仰よりも実験を優先していることが予想できます。

また、他の自分に責任を丸投げしていることから、極めて利己的な性格であることもわかりますね。利己的と言っても、他の個体も自分なので日本語として難しいんですけど、「他の自分すら下だと見下しているような性格である」と読み取れるわけです。

交渉とは、価値観のすり合わせである

相手の目的と価値観がわかった所で、二人の神の心取引が始まります。

二人は神の心の価値を様々な言葉で定義づけながら、価値の綱引きをしているのです。

あとで字幕解説付きでもう一度会話を流すので、どんな価値づけをしているのか注目してみてくださいね。

その中から一例紹介しておきましょう。ナヒーダが「異国の神の心をスメールに置いておくと災いを招くだけ。でも、この神の心はあなた達の執行官を一人倒したことで手に入れた「戦利品」だよね。これを手放せと言うなら元凶であるドットーレも相応の代価を支払うのが筋では?」という提案をします。

このような発言をすることで、「なんとなく神の心って大切だよね〜」という認識から、ちゃんと共通認識をもってやり取りがデキるようになるわけですね。

そして、この言い回しも「同質のものを返したくなってしまう」返報性を利用したもの。

「こっちが努力して手に入れたものなんだから、見合うコストをそっちも払ってよ」って理屈で話しているんですね。

その努力量の定義付けを言葉巧みに行うんです。ここでは「戦利品」と呼ぶことで認識を変えるラベリングという技術も使われていますね。

しかもナヒーダはプラスの意味とマイナスの意味両方で返報性を仕掛けていて、

  • こっちが努力して手に入れた戦利品

というプラスの意味と

  • 迷惑かけたのはそっちの執行官ですよね
  • というか計画したのアンタでしょ
  • こっちの手元にあっても災いが起こる物体だから別に必要はないんだよ

というマイナス面も伝えています。

これを短い文章で全部伝えているんですね。さすが知恵の神。めっちゃ上手。

でもって、この文章で一番効果的な部分は「元凶はアナタ」と言っている部分です。繰り返し説明した通り、ドットーレは自分の実験に狂気的なこだわりがあります。なので「お前の実験だろ?」って点を入れ込むことで絶対に否定できない様になってるんです。

「自分がやった実験だぞ」ってポイントを自慢したくてしょうがないので、「いや、それは私の責任ではない」なんて返しはしないはずなんです。

これが、相手の狙いや価値観を知っておく重要なポイントですね。

合意条件にも見えるドットーレのナルシシズム

神の心と交換に、自分の「断片」をすべて消去する条件を飲んだときにもドットーレのナルシシズムが垣間見えます。

「数多のあれら「私」と、神の心一つが同じ価値だとお前が思っているなら」

だとか自身を「知恵の国の最たる脅威」なんて言ったりしています。

とにかく自分を持ち上げまくるんですよね。

興味深い点は、そうやって神の心の価値=「断片」の価値=自分の価値みたいにして自分の価値を高めるくせに、直後には「余分な自我」といって「断片」の価値を自分より低いものだと見下しています。

つまりダブルスタンダードになっていて、自分に都合がいいように「断片」の価値解釈を上下させているんですよね。

そうまでして自分を持ち上げたいナルシシズムの究極みたいな性格してます。

ほんとにヤバいやつの見本みたいな人ですね。ドットーレ。

フット・イン・ザ・ドア・テクニック

最後に、フット・イン・ザ・ドア・テクニックを紹介しておきましょう!

人間には「一貫性の原理」と呼ばれる性質があります。一度発言してしまったことや、取ってしまった行動に対して、一貫した姿勢を取ろうとする性質のことですね。

例えば「今日からダイエットする!」と発言したにも関わらず、その直後からポテチを食べる、ってちょっと気が引けますよね。このように、一度なにかしらの行動をしてしまうと、その後の行動が影響を受けてしまうんです。

これを交渉で使ったテクニックがフット・イン・ザ・ドアです。 最初に小さな条件を飲ませてOKをもらうことで、次に出す条件にもOKしやすくなる効果ですね。

今回の事例では、雷の神の心をドットーレの「断片」と交換した後、「じゃあ草の神の心もいけますよね?」って流れが該当します。

「いやいや、無理でしょ」と感じるかもしれませんが、想像してみてください。最初から「雷と草の神の心、2つともちょうだい」と提案していたらより強固な態度でナヒーダに拒絶されていたはずです。天理を速攻で呼ばれていたかもしれませんね。

それを、「あなたには使いこなせない、不要な雷の神の心を譲ってよ」ってところから話を始めているから交渉が上手く行っているんです。

さらに、これだけでは押しが弱いと考えたドットーレは自分が持つ「世界の外の知識」をオプション追加することで交渉成立まで持っていきました。

ドットーレもかなり順序立てて交渉を考えるタイプであることがわかりますね。

字幕解説付きでもう一度

では、字幕解説付きでもう一度ナヒーダとドットーレの会話を見てみましょう。

多分、ウキウキで帰ってるドットーレ

はい、いかがだったでしょう。ドットーレが自分の価値を盛りまくった会話でしたよね。

個人的な予想なんですけど、たぶん帰り道のドットーレはめちゃくちゃテンション上がってると思います。だって知恵の神と比べても自分の知識や自分自身に価値があるって証明できちゃったので、自己肯定感バク上げだと思うんですよね。

ものすごいウッキウキで帰ってるはず。

そういうところを想像しても面白い会話だと思います。

というわけで、性格分析を通しての会話、どうだったでしょう? ちょっと盛りだくさんになっちゃいましたが、面白ければまたやりますのでお気軽にリクエストください。

それでは、今回の内容も原神を楽しむための情報として、参考まで。

yoshiaki-kobayashi

This website uses cookies.