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アルハイゼンで学ぶビッグファイブ!科学的性格分析でキャラを読み解く【原神・げんしん】

こんにちはこばとーんです。

最近、心理学シリーズが好評いただいていて嬉しいです!ありがとうございます!

コメントもたくさんありがとうございます!そして、なぜかコメント欄にめちゃくちゃ登場するキャラがいて、それがアルハイゼンなんですよねw

「アルハイゼンなら交渉強そう」とか

「アルハイゼンなら話ぶった切りそう」

みたいなコメントが大量に来ます。

なので、アルハイゼンのシーン解説をしてもいいかと思ったんですが、その前にアルハイゼンがなぜそんな印象を与えるのか分析したほうがいいんじゃないか、と思ったので性格分析してみようと思います!

知っておくと現実でもかなり使える考え方なので、ぜひ押さえてくださいね。では早速行ってみましょう!

前置き

ネタバレ注意!今回はアルハイゼンの人となりに触れるので、ストーリー上でアルハイゼンが行う言動がちょこちょこ出ます。なので、スメール編終わってない人は要注意。

また、本動画の性格分析はエビデンスレベルの高い研究をもとにお話をしますが、私は医療従事者ではありません。あくまで素人の心理学オタクでゲームオタクな人間が知識を活用してより原神を楽しもう、って話です。

医学的な断定はできませんし、しませんのでご留意ください。もし、聞いて気になった知識や症例があれば医療機関での診断をおすすめいたします。

あくまで知識の入り口、エンタメ的なものとしてお楽しみくださいませ。

性格分析の現状

アルハイゼンの分析を実際にやる前に、性格分析ってなんぞや、って話をしておきましょう。

世間によくある血液型性格診断みたいなものは科学的根拠が薄い、もしくは全く存在しないもので、ポップ心理学と言われています。

とはいえ、当たってるような気がするときもあったりするし、「これだからB型は〜」とプロレスに似たネタをやり取りするのも一興だったりするので楽しむための知識としては全然アリです。

一方、ガチな心理学系の研究ではちゃんと科学的根拠のある性格分析を土台に論理が組み立てられます。

今までに様々な性格の分析方法が開発されて来たんですが、現在最も多く使われている主流の方法がビッグファイブとか5因子モデルと呼ばれる方法です。

ざっくりいうと「人間の性格は5つの軸で判断できるぞ」って理論です。

「え〜もっと複雑なんじゃないの〜?」と思う人もいるかと思うんですが、これが結構しっかりと考えられた方法なので、ざっくりその概要も教えちゃいますね。

ビッグファイブ理論の考え方

人間の性格は多くの場合、言葉で表現されます。怒りっぽいとか、短気とか、明るい、面白い、嫉妬深い、几帳面、自信家など、いろんな表現で表されますよね。

ここで、良く考えてみると「怒りっぽい」と「短気」はだいぶ近い意味だと思いませんか?「優しい」と「親切」もかなり近いですよね。

そこで、「似たような意味の”性格を表す表現”をまとめてグループにしていけば、人間がどんな基準で性格を捉えているのかわかるんじゃね?」と心理学者は考えたわけです。

実際にグループ化してみたところ、それは大きく5つの軸になることがわかりました。その軸を使って性格を分析しようという考え方がビッグファイブです。

5つの”軸”と呼んでいるところがポイントで、一つの軸にはプラスマイナスみたいな面が存在します。

例えば、「温かい性格」と「冷たい性格」は真逆の意味ですよね。同様に「明るい」と「暗い」とか「おもしろい」と「つまらない」なんかもそうですね。これらは、同じ性質を表す軸のプラスマイナスだと言えます。

つまりビッグファイブとは5つの属性のプラスマイナスで性格を表すシステムなんです。

ビッグファイブの5因子

では早速その5つの軸をお伝えしましょう。

  • 調和性
  • 外向性
  • 開放性
  • 誠実性
  • 神経症傾向

この5つです。

一つずつイメージをざっくり解説すると、

調和性は、他人への親切さです。元になった要素を並べると、信頼、実直さ、利他性、慎み深さ、優しさ、といった単語があります。なんとなくイメージわきますよね。

調和性が高い人はアンバーみたいな感じで他人に親切。低い人は散兵時代のスカラマシュとか八重神子みたいな感じですね。

外向性が高い人はポジティブで他人と関わるのが好きな人です。元になった単語は温かさ、群居性、活動的、刺激希求性、良い感情とされています。

外向性の高い人は宵宮とか荒瀧一斗みたいな感じ。外向性の低い人はコレイやスクロースみたいな感じですね。

開放性は知的好奇心の強さです。単語は空想、審美性、感情、行為、アイディア、価値などですね。芸術が好き、みたいな面も含まれます。

ナヒーダやアルハイゼンは開放性が高いキャラで、ロボットの方の雷電将軍や九条裟羅は開放性が低い感じです。新しいことに色々チャレンジして知識を増やしたいか、ひたすら決まったルールを守りたいか、みたいな感じですね。

誠実性はコツコツやる能力です。元の単語は、コンピテンス、秩序、良心性、達成追求、自己鍛錬、慎重さ、など。

誠実性は甘雨や刻晴が高いですね。つらい仕事でも淡々と続けられる能力です。逆に荒瀧一斗なんかは比較的低め。やや衝動的で予定を先延ばしにしたりする傾向があります。

神経症傾向はメンタルの弱さ。元の単語は不安、敵意、抑うつ、自意識、衝動性、傷つきやすさ、です。

神経症傾向は高いほどメンタルが敏感であるパラメータ。ちょっと他とニュアンスが逆っぽいので注意しましょう。

やや高めのキャラとしてはコレイやカーヴェが該当しそうですね。逆に低いキャラはベネット、荒瀧一斗、アルハイゼンあたりが当てはまりそうです。

ベネットのメンタルの強さはガチなのでこれは納得。

ビッグファイブ以外の要素

ビッグファイブはかなり信頼されていて、研究でめっちゃ使われています。とは言え他のアプローチも考えられていて、合わせて覚えておくと理解が深まるので3つほど簡単に紹介しますね。

まずは第六軸の存在です。ビッグファイブじゃなくて、ビッグシックスなんじゃないの?ってこと。

これは「正直・謙虚さ」がもう一つの軸としてありそう、って研究でHEXACO(ヘキサコ)なんて言われてますね。ビッグファイブと似てるので、より精度アップできるんじゃないかと期待の方法です。

もう一つがダークトライアド系。ビッグファイブに含まれないヤバい性格特性として、サイコパシー、マキャベリアニズム、サディズム、ナルシシズムって特性があります。

簡単に紹介すると、他人に共感できない性質がサイコパシー、目的の為なら手段を選ばない性質がマキャベリアニズム、相手を加虐したい性格のサディズム、自分大好きなナルシシズムです。

これはビッグファイブに含まれない特性なので別軸として考えることが多いですね。特にナルシシズム、サイコパシー、マキャベリアニズムの3つはダークトライアドと呼ばれてヤバい性格の三要素として有名です。

ちなみに、これを全部満たすキャラはドットーレですw

最後がFFPQ。これは日本人向けビッグファイブって感じの研究です。

ビッグファイブは欧米で開発されたものなので、文化圏が違うアジアだとちょっと精度が落ちるんじゃない?って研究もあるんですね。そこで開発されたのがFFPQ。もうちょっと日本で通じやすい感じにアレンジされているんですよ。

ほとんどビッグファイブと似た感じになるんですが、ちょっとニュアンスが変わってます。各項目も名前が変更されていて、

外向性(Ex):ビッグファイブの外向性

愛着性(A):ビッグファイブの調和性

統制性(C):ビッグファイブの誠実性

情動性(Em):ビッグファイブの神経症傾向

遊戯性(P):ビッグファイブの開放性

という感じの対応になってます。

性格分析を知っておくと便利な点

なんでこんな科学的な性格分析の話をしているか、っていうと、分析軸を持っていると便利だからです。

例えば人間は「自分が興味のある観点で相手を見てしまう」癖があります。

筋トレに夢中の人がアルハイゼンを見たら、「胸板暑いっすね」みたいなところから評価します。イケボが好きな人なら「アルハイゼンの低音ボイスがたまらない!」ってなるし、試験勉強中の学生なら「頭良さそうでいいなぁ」なんて思うわけです。

つまり、「アルハイゼンってどんな人?」って質問に答える場合、入り口がめちゃくちゃ自分の興味に振り回されちゃってバランスの良い評価が難しいんですね。

そんな時に、分析するための軸があると便利です。

ビッグファイブは性格を表す要素を5つの軸でまとめたものなので、それぞれの軸に対して考えればかなりざっくりと全体像を評価するのに都合がいいのです。

普段僕たちも原神のキャラを評価したりすると思うんだけど、軸が決まってると比べやすいですよね。例えばダメージ倍率とか、パーティでの使い勝手とか、課金のコスパとかね。

軸がいいものになってるとキャラをちゃんと評価できるんですけど、逆に軸がグダグダだと意味不明な会話になったりします。

ある人はキャラデザで評価してて、別の人は声優さんの好感度で評価してて、また別の人は戦闘の強さで評価してる、みたいな状態だと話がまとまらないのは想像つきますよね。

ビッグファイブはそういう意味でキャラ分析に最適な”軸”として使いやすいんです。

アルハイゼンの性格特性

ためしに、アルハイゼンの性格特性をビッグファイブとFFPQに割り当てたらこんな塩梅になりました。

FFPQ-50の質問が使いやすいのでそれを参考にしています。興味がある方は参考文献を概要欄に貼っておくのでそちらをみてみてください。

https://www.jstage.jst.go.jp/article/personality/13/2/13_2_231/_pdf

一応、FFPQの日本人平均を青線で示しました。この方が平均と比べて高いか低いか、というのがみやすいですからね。

グラフをそのまま言語化すると…

神経症傾向が低いため、アルハイゼンはメンタルが非常に強く、多少のことでは焦ったりしません。

外向性も平均より低めなので、大勢の人といるより孤独を好み、自身の内側での静かな考え事を好みます。

誠実性は高め。自制心があり、コツコツと仕事をこなすことができ、忍耐力があります。

調和性はやや低め。人を馬鹿にしていると見られることがありますが、別に気が使えないわけではありません。

どうでしょう?かなりイメージと近いですよね!

軸があるだけでかなり全体的なイメージを捉える評価になっていると思います。

ダークトライアド系はどうか?

さて、ビッグファイブに含まれていないダークトライアドはどうでしょうか。

こちらは早稲田大学の小塩真司先生達が出しているダークトライアドを見極める質問をまとめた論文からの質問をベースに採点してみました。

https://www.jstage.jst.go.jp/article/personality/26/1/26_26.1.2/_article/-char/ja/

同じく概要欄にリンク貼っておきますね!

平均値よりもややどの数値も高めとなっていますが、やはり目立つのはサイコパシーでしょうね。サイコパスは共感性が低い性質です。わかりやすく言うと、空気を読まないって感じですね。

よくあるんですけど、サイコパス=異常殺人者みたいなイメージは間違いです。心理学的な意味のサイコパシーは共感性に乏しいこと。共感性とは、相手に起こっていることをまるで自分の体験のように感じ取る能力です。なので、例えば友人がタンスの角で小指を打ったのを見たら「イテッ」と自分の事のように反応してしまう人が共感性の高い人です。

サイコパス性が高いということは相手に共感しない性質がある、ってこと。ちなみにコレは悪いことではなくて、仕事によっては非常に有効な能力です。例えば外科医なんかが有名ですね。患者の身体にメスを入れるわけですから、「痛そう…」って思っていたら仕事になりません。ある程度のサイコパス性があったほうがいい職業と言えますね。

アルハイゼンも書記官という高い職位にいます。これも、私情を挟まず合理的に仕事を処理できる能力が噛み合って出世した面があると予想できます。

よくある猟奇殺人の犯人がサイコパス、みたいなイメージは痛そうなことをしても平気な性質が悪い方向に発揮されてしまった結果ついているものなんですね。

あくまでサイコパスとは共感性の薄さを表すので殺人鬼とはわけて覚えておくといいでしょう。

ちなみに、アルハイゼンでダークトライアドが多めでヤバいなーと思った人向けに比較対象としてドットーレさんをグラフに足すとこんな感じ。

現段階でわかってる性格だけでもかなりヤバい人だとわかりますねw

アルハイゼンの複雑な性格

ではここで、アルハイゼンさんについて詳しい方にお話を伺ってみましょう。

アルハイゼンさんについてどうお考えですか?

カーヴェ動画

ありがとうございましたー。はい、カーヴェが言っている通り、アルハイゼンは複雑な性格をしています。ゲームキャラクターやアニメキャラはわかりやすいステレオタイプにすることが多いです。例えばアルハイゼンなら合理主義の冷徹男にしておいたほうがわかりやすいキャラ造形にできます。

しかし、ホヨバはそう単純なキャラにしません。

アルハイゼンは聡明で、他人の考えていることにも思考が及びます。だから社交上でどんな立ち振舞をすれば相手に受け入れてもらえるかも理屈として把握しています。

しかし、感覚として共感性は低いため、心からそう思って立ち振る舞っているわけではありません。あくまで「こうした方がウケるから」というパターン学習の結果です。

じゃあ、彼は心のないマシーンなのか、といえばそんなわけでもなく、相手に対しての優しさは持っているんです。ただ、彼の思考軸が独特なだけです。カーヴェを家に同居させていても合理的メリットはないですが、アルハイゼンなりに面白がったり心配していたりで家に居させています。

また、アルハイゼン語録として有名な「君は〇〇しないのか?俺は〇〇するが」という言い回しも、彼特有の優しさだと考えています。

アルハイゼンは相手の意見をちゃんと聞いてあげているんですね。そして、自分の意見も参考例としてちゃんと提示してあげている。多分良かれと思って追加している情報なんですよ。ただ、共感性が低いので「それが煽りみたいに聞こえるから辞めておこう」みたいな優先度が低い。でも、煽り構文になっていることはわかっているのでカーヴェをからかう際にはわかった上で使う、みたいな性格をしています。

複雑なレイヤーを持った性格をしていますよね。そして、それをわかっているカーヴェはやっぱりエモい。

まとめ

はい、いかがだったでしょうか?

性格から分析すると、様々な行動の原因が浮かんで見えてくることが多いんですよ。なので、今後の会話分析にはビッグファイブやFFPQ、ダークトライアドを使ってみようと思っています。

普段の生活で誰かの性格について考えるときにもかなり使える考え方なので、ぜひ活用してみてくださいね!

また、今回の動画を見て自分の性格分析もしてみたいと思った方はGoogle検索で「簡易型ビッグファイブ」「ショートビッグファイブ」「FFPQ-50」「ダークトライアド診断」などで検索すればいろいろ検査方法が出てくると思います。お試しあれ。

あと、今回のアルハイゼンやドットーレの性格診断を計算したスプレッドシートはメンバー限定で公開しようと思ってます。別に細かすぎるので見る必要はないんですけど、有料のテストや情報を元にしてるので一応クローズドなところで公開しようと考えました。

すげー細かく知りたい、っていう開放性高めの方はお気軽にどうぞ。

ってなわけで、今回の情報もあなたが原神を楽しむための参考まで。

【リンク】

FFPQ-50についての論文(中に質問も載っています)

https://www.jstage.jst.go.jp/article/personality/13/2/13_2_231/_pdf

早稲田大学の小塩真司先生達が出しているダークトライアドを見極める質問の論文

https://www.jstage.jst.go.jp/article/personality/26/1/26_26.1.2/_article/-char/ja/

yoshiaki-kobayashi

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