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リオセスリとリネの交渉に学ぶ占い師の会話術!バイアスを多用した言い回しの妙技を堪能しよう【原神・げんしん】

原神心理学、リオセスリとリネから学ぶ占い師の会話術

こんにちはこばとーんです。

心理学シリーズ、好評いただいていて非常に嬉しいです。ありがとうございます!

さて、今まで出した動画へ頂いたコメントで非常に多かったリクエストが「リネとリオセスリの会話解説して欲しい」って内容でした。たしかにどんな理屈が働いているかわかったら更におもしろくなりそうですよね。せっかくなので解説させていただきます。

というわけで、本動画では魔神任務第四章第四幕「胎動を諭す終焉の刻」のネタバレを含みます。結構物語の中でもハラハラする部分に触れるので、ネタバレなしで楽しみたい人は本編やってからみてくださいね。

ではさっそく、いってみましょう。

リネとリオセスリの会話

ヌヴィレットの依頼を受けてメロピデ要塞に潜入したパイモンと旅人。そして、お父様から任務を受けて別ルートでメロピデ要塞に潜入していたリネ・リネット・フレミネ。要塞内で出会った彼らは協力してそれぞれの目的を果たそうと動きます。

そして、メロピデ要塞の怪しい噂を検証することで、ヌヴィレットに依頼されたタルタリヤの失踪ルートを割り出すことに成功しました。しかし、そこは水没した場所だったため、潜水が得意なフレミネに調査をお願いします。

その代わりに、リネたちの任務で調べている医務室調査を旅人とパイモンが手伝いました。そして、その情報を元にリネットが続いて医務室へ潜入。無事に任務を進めているはずなのでリネと共に様子を見に行ってみたら…

気分一致効果と確証バイアス

あなたは気が付きましたか?実はリネは一人で突っ走っているだけ。”論理的な意味では”会話が噛み合っていないのです。

「リネットがいなくなった!リオセスリが何かしたに違いない!リネットが危ない!」

「フレミネが戻っていないだって・・・?フレミネが危険だ!」

と、勝手に危険を想像して思い込んでしまっているんですね。

人間は、すべての要素を冷静に計算して判断しているわけではありません。このように特定の条件下であれば、思い込みによって思考が制限されてしまいます。この特性をバイアスと呼びます。

バイアスには様々な種類が存在し、今回リネが陥っているのは、気分一致効果と確証バイアスです。 それぞれ説明しますね。

気分一致効果とは、明るい気分のときには明るい思考に引っ張られやすくなり、暗い気分のときには暗い思考に引っ張られてしまう現象を言います。

例えば、気分が明るいときの若陀龍王戦は「BGMがかっこいい」「HPが高いから戦い甲斐がある」「ギミックが面白い」みたいに思えますが、

気分が暗いときには「体力多くてうざい」「スリップダメージだるい」「潜ってる時間なんなんだよ」みたいに悪い面に目が行きます。

このように、 見ている対象が同じでも、現在の気分によって切り取り方が変わってしまうんですね。

リネは、突然リネットがいなくなってしまったことにより焦っています。そのためネガティブな方向に物事を考えてしまっているわけですね。

次に、確証バイアスです。

確証バイアスとは、一度持った考えに対して一致する特徴ばかりを拾い集めてしまう思考の癖を指します。

リネは「リオセスリがリネを人質に取った」という思い込みをしてしまったのでリオセスリの発言がすべてそれを裏付けるものに思えてしまっている、というわけです。

リオセスリと補完の原理

会話においてリオセスリはほとんど中身のある発言をしていません。

上手に会話を誘導して、リネにほとんどの説明をさせています。

リオセスリの発言は大きく3種類で、

一つは「リネットちゃんは俺の所でお茶を飲んでる」みたいに適当で意味ありげなこと

もう一つは「大魔術師であるリネくんに会うにはそれ相応の用意が必要」みたいな周知の事実並べるだけ

そして3つ目は上記の2つに加えて「・・・さて、なぜだと思う?」みたいに付け足して質問しているだけです。

目的や状況を自分から語ることはほとんどせずに会話を成立させています。

しかし、この話術によってリネから必要な情報を引き出しているんですね。

これは、占い師が使うコールドリーディングと呼ばれる技法のひとつで、”補完の原理”という性質を利用した話術です。

人間には、反射的に情報を埋めてしまう習性があります。一例として、高校の教室に先生が入ってきた瞬間を想像してみてください。教壇に立ち、最初の一言をおもむろに発します「えーと、今日は10月の・・・」

すると生徒が一人答えます。「12日です」と。

これが補完の原理です。不思議ですよね?「今日は何日ですか?教えてください」と発言しているわけではないにも関わらず、日付を答えてしまっています。

このように、ほとんど反射的に思考してしまったり答えてしまう習性を利用することで占い師のような喋り方ができるわけですね。

同様に、占い師が相手のことを言い当てる際には「ん〜、なんだかガラス片ですかね?・・・キラキラしたものが散らばっているような・・・?ちょっとトラブルだったんでしょうか・・・」みたいに言っていると

「あ、そうです。2日前に車をぶつけてミラーを割ってしまって」と勝手に返してくれたりします。

そしたら相手に合わせて、「あーなるほど、砕けたミラーだったんですね。どうりでちょっと不揃いな感じがしました」みたいに返すわけです。

実際には相手が補完してくれているんですが、上手に雰囲気や流れを構築することで言い当てているかのような会話をすることができるんですね。

リオセスリはまるで全てがわかっている策士のような雰囲気を出しながら「ふふふ、なぜだと思う?」と話すだけで、勝手にリネから内容が出てくる状況を作っているのです。

会話を成立させる状況

ここまでの話を聞いて、「そんなにうまく話が進むかよ」と思った人もいるでしょう。もちろんそのとおりです。

この会話はいつでも使えるわけではありません。突然友人に「ガラス片のようなキラキラしたものが〜」なんて言い出しても「何いってんだお前」であしらわれてしまいますよね。あくまで、特定の状況だから刺さる会話術と言えるんです。

今回の場合であれば、リネの判断力が大幅に落ちていることが原因として挙げられるでしょう。

まず、そもそもリネは非常に頭が回るキャラです。おまけに会話も非常に巧みと言えます。普段は自分が人を騙す側のマジシャンですから、その実力は折り紙付きと言えるでしょう。

なので、普段のリネなら通じない会話術なのです。

しかし、今は焦っています。人間は感情的になると判断能力が落ち、視野が狭くなります。だから通じるのです。

そして、逆を言えば、その状況を作っているリオセスリが非常に巧みと言えます。

リネとリオセスリ、立場の違い

リネにとって焦るポイントはおおまかに5つあります。

1,メロピデ要塞はリオセスリのホームである

2,自分たちはスパイである

3,身内が二人も人質に取られている

4,時間制限がある

5,相手の狙いや実力が不明である

1つか2つあるだけで焦りそうな内容が5つもあるわけです。普通なら思考能力がもっと削がれても良さそうですね。

ここで忘れてはいけないポイントが、リオセスリは情報収集に長けていることです。 海底にあるメロピデ要塞に所属しながらも、海上で起こっている物事をしっかり把握しています。

なので、有名人であるリネやリネットの事はもちろん知っているでしょう。 加えて、壁炉の家やファデュイに関する情報も一通り押さえていると考えて良いはずです。

つまり、一方的にリネは情報を握られている状態で、リオセスリは正体を伏せた状態で交渉ができている有利な状況なんですね。

リオセスリの目的と余裕

リネに比べてリオセスリには非常に余裕があります。そして余裕があるからこその態度でもあるんですね。

まず、リオセスリの目的から整理しましょう。

あとの会話で明かされるとおり、リオセスリは最初、リネの目的などについて正直わかっていません。

ただ、自身の情報網によってタルタリヤが失踪したこと、それによって「召使」が動くことを予想していました。そして実際、旅人とパイモンがヌヴィレットによって送り込まれたわけですね。それも把握しています。

なので、面倒事を避けるためにもタルタリヤの行方は知りたいところです。とはいえ、旅人とパイモンが来るし、さらにファデュイの手先としてリネたちが来ているので探させることにしました。自分で調査する手間が省けて一石二鳥だからですね。

ただし、泳がせている間に「こいつらの目的は禁域を探ることだぞ」ということに気が付きます。

ファデュイ視点では「禁域という謎の領域がメロピデ要塞にあるらしい」「そして公子が消えた」という情報がある状態なので、どうしても禁域に目が向きやすい状況です。

そこで、禁域の存在とタルタリヤ失踪との関連性がないことさえ証明できればOK、と考えているようですね。

そして禁域そのもの。こちらは普段リオセスリしか入れないようにしているという点から厳重な秘密のように感じますが、そこまで厳重に秘密が守られているわけではありません。

最終的に、旅人とパイモンに「リネたちに伝えるかはまかせる」と言っているとおり、完全に情報封鎖しているわけではないんです。

禁域には原始胎海に通じるゲートが存在しており、「どうやらそろそろ破れそうだぞ」とリオセスリは仮説を立てています。もし、この仮説がメロピデ要塞内に広がってしまうと暴動が起き、崩壊してしまいます。

メロピデ要塞管理者として、避けたい部分はそこだけです。

逆に言えば、暴動さえ起きなければOK。できればこの謎のゲートが抱えるリスクを解決したいとすら考えています。

つまり、暴動になりメロピデ要塞が崩壊したり、原始胎海が溢れ出してフォンテーヌそのものが破滅することのほうが問題であって、知恵と実力があって秘密を守れる相手であれば知られても構わないと考えてるみたいですね。

おそらく、「お父様」に会いたいと要求したのも、あわよくば直接交渉して相手を見極めたいからでしょう。

相手が問題解決のために動いてくれる人間であれば禁域の情報を共有し、ファデュイの知識や情報網を借りられるかもしれません。 下手に下っ端に禁域へ侵入されて、ゲートを破壊されたり開放されてしまったらそちらのほうが厄介です。話の分かる上司とやり取りしたほうが楽だとリオセスリは考えたんじゃないかと予想します。

そして、これらのことから、リオセスリが余裕であった理由も大まかに予想できます。

リオセスリとリネの立場差

リネとの会話が開始された時点で、リオセスリの交渉上での勝ちはほぼ確定しています。

リネットは麻酔で眠らせていますし、フレミネはクロリンデが回収中の予定。彼女の実力を考えてもまず失敗はないでしょう。

そして、リオセスリは彼らに対して酷いことをしようとも考えていませんし、むしろ助けようとしています。

なので、言ってみれば”頑張らなくていい”わけです。

やることは、リネにお灸を据えて「余計なことするなよ」と忠告すること、そして予想の答え合わせ。リネたちが潜入してきた目的を聞き出し、メロピデ要塞崩壊のリスクに手が届かないことさえ確認できれば問題ありません。

しかし、リスクに手が届く可能性はすでにほぼゼロです。

数分後にはシグウィンが合流し、さらにクロリンデも戻ってきます。勝ち確定と言えるでしょう。

だから焦りません。だから交渉で強いのです。

だから「リネットちゃんはお茶を飲んでいる」とか、「フレミネくんは大変なことになる」みたいな事実と適当な嘘をブレンドしたちょっかいでリネから情報を引き出す余裕があるってわけです。

言ってみれば悪役ロールプレイを楽しんで時間を潰しているだけですね。

適当に時間さえ潰せば、あとで自分の悪人容疑も晴れます。とにかくそれっぽい事を言ってリネに喋らせる状況を作るゲームを楽しめばいいんです。

唯一、まずいことがあるとしたら、自分が腕力で負ける場合ですね。実力行使に出られて、さらにリネが化け物みたいに強く、リオセスリをワンパンしてしまうレベルだと困ります。

しかし、そこに対する保険もかけてあり、それがシグウィンとクロリンデです。

実際にシグウィンは麻酔でリネを静止することになりましたよね。もし、それでもダメだった場合、もう少ししたら現場に到着できるクロリンデがいます。

クロリンデはフォンテーヌ最高戦力なので、クロリンデを出してダメならどのみちダメともいえます。つまり、最高にして最後の保険なんですね。

一方、リネには全く余裕がありません。対話の覚悟も用意もしないまま、リネットを取り返すためだけに執務室に駆け込みました。

自分の推理をガンガン押し付けることで攻めようとしますが、そもそも突かれても痛い箇所が存在しないリオセスリには無意味でした。

もうほとんど、会話が開始した次点でリオセスリの勝ちは確定しているんです。

ホットリーディング

リオセスリはホットリーディングという手法も上手に使っています。これは、前もって知っていた相手の情報や、持ち物などの特徴から読み取れる内容を利用して”言い当てたかのように見せる”技術です。

本シリーズで度々登場しているコールドリーディングとは対になる技術と言えますね。

例えばコールドリーディングなら、統計的にだいたいあてはまることをまるで言い当てたかのように使います。10代の女性なら恋愛に夢中であることが多いので「気になっている男性にどう気持ちを伝えるか迷っていますね?」なんて言えばだいたい当たります。

逆に、ホットリーディングとは、具体的な相手の特徴に合わせた手法です。予め璃月の店などに話を聞いて情報収集した上で、鍾離先生に対して「お金のことで困っていますね?」なんて訊くわけです。

こういった言い当てが3回くらい当たると、「この人には全て見通されている」みたいに思うようになります。占い師の場合には相手の信用を獲得することに繋がりますし、今回のような駆け引きでは得体のしれない強さを相手に感じさせることが可能です。

リオセスリ流実戦的ホットリーディング

「いやいや、絶対に当たるわけじゃないよね。外れることもあるんじゃない?」そう感じた人も多いでしょう。実際、ホットリーディング・コールドリーディングを問わず、外れることはあります。なので、そのとき、上手なフォローができるかどうかも非常に重要なポイントです。

リオセスリはこの辺りが巧みだと感じたのでセリフを一つピックアップして解説しましょう。

それは「振り返ったらリネットちゃんがいるかもな」のところです。

リネも「振り返らせようとしている?」と考察していますが、考えた末に振り返らない選択をしていますよね。このように深く勘ぐってくれれば相手の思考を振り回せるので、余裕を削ることができて十分な効果があります。

ではもし、振り返っていたらどうだったか考えてみましょう。

もちろん、振り返ってもリネットは居ません。僕がリオセスリだったら「まさか本当に振り返ってくれるとはね。思ったよりもお人好しみたいだ」と言います。そしたらリネは「ふざけた真似を」ってなってくれてヒートアップ間違いなしでしょう。これでも十分な効果がありますね。

そして、さらにもしもの話ですが、リネットにかけた麻酔が途中で切れて、実際にこの場に現れてしまった場合です。彼女は純粋な人間種ではないですし、職業柄からしても、ひょっとしたら麻酔に耐性があるかもしれません。あり得る話だと考えられます。

この場合、リネが振り返ったタイミングであっても、そのあとの中途半端なタイミングで入ってきたのだとしても「ほら、言ったとおりに現れただろう?信用されないなんて悲しいぜ」と言えばいいんです。まるで全てリオセスリがコントロールしているかのように感じさせることができますよね。

このように、外れたとしてもその後のフォローによって当たったかのように錯覚させることが可能です。

もしもの話を含んでしまいましたが、きちんと場を整えながら交渉している強かさを鑑みるに、リオセスリはこれくらいしてくるんじゃないかなぁ、と思っています。

字幕解説付きでもう一度見てみよう

それでは、二人の性質がわかったところでもう一度字幕解説つきで見てみましょう。

リオセスリの見事な会話術が理解できたと思います。リネは普段こういった話術を使う側であるのにガッツリ引っ掛けられてしまっていますよね。

このように、交渉術関連のテクニックは知識があっても躱せないくらい強力なものとなっています。きちんと知識を持った上で、冷静に考えることができれば対処できる可能性が上がるので、自己防衛のためにもぜひ覚えておくといいでしょう。

それでは、今回の知識も、原神を愉しむための参考まで。

yoshiaki-kobayashi

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