とにかく、科学的に瞑想がしたい!!! 宗教観とか、精神論とか抜きで、トレーニング的な意味での瞑想がしたい!
僕はそう思っていました。いえ、今でもそう思っています。しかし、瞑想について調べると、とにかくヒットする内容は精神世界の話だったり、チャクラについてだったりします。でも僕は、ビジネス系の話で登場するようなトレーニングとしての瞑想がしたいのです。スピリチュアルな事が知りたいのではありません。あなたもそう思いませんか? そこで今回は、僕が瞑想を始めて、習慣化させるまでの話を、失敗談やコツを交えて紹介したいと思います。
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瞑想に興味がある。ということは、どこかしらで「効果がある」と耳に挟んだのではないでしょうか。一般的によく言われる「瞑想で得られるもの」として、以下のようなものがあります。僕も、これらを手に入れるために瞑想をはじめました。
とはいえ、瞑想とはそもそも仏教などの宗教から誕生しています。そのため、宗教と完全分離するのはなかなか難しいところ。しかし、科学的に瞑想を研究しようという動きは多く、世界中で様々な研究がされ、論文が出されています。
瞑想を科学的に研究する際に難しいのが「条件」です。内面的な変化や、精神的な状態は計測することが難しいため、脳波を測ってみたり、セロトニンなどの脳内物質の分泌量を測ってみたり、といった方法でいろいろな実験が行われています。
そして、その中で最も研究対象となっているものの一つが「マインドフルネス瞑想」です。要するに研究データが多いのです。内容的にも「宗教的な意味のある言葉を念じる」ようなものが必要なく、非常にシンプルな内容なのが特徴です。
僕のように宗教臭が嫌だなあ、と思って始める人は、まずマインドフルネス瞑想から始めて、効果が感じられたら他のものにチャレンジしてみるのがいいと思います。相性があるようなので、他の瞑想がいい人もいるみたいです。
よりよく理解いただくために、少し僕について少し説明しようと思います。具体的な話が見たい方は次の章からみてくださいね。
僕がやっているのはマインドフルネス瞑想です。瞑想にはたくさんの種類がありますが、最もシンプルで入門しやすいと言われている瞑想です。大雑把に言えば「呼吸に集中するだけ」という瞑想法。現在では、一日に最低15分ほど瞑想しています。
しかし、実をいうと、僕は瞑想の習慣化を一度諦めています。2年前に一度挑戦したのですが、続かなかったんです。というのも、その頃には瞑想に関する科学的な情報があまりなく、ネットにあるのは宗教色の強い情報ばかりでした。僕は正しい集中方法などが知りたかったのですが、情報を調べているうちにだんだんとモチベーションを失ってしまったのです。
そんな僕が瞑想に再びチャレンジしたのは今から2ヶ月半くらい前。普段フリーランスのカメラマンとして働いている僕は、「もっと良い撮影がしたい」「もっといいアイデアが欲しい」そう思っていました。しかし、ダラダラと長い時間働くことが良いとは思っていません。僕らの人生時間は限られています。短い時間で高い集中力を発揮して「効率の高い仕事」をする。そういうスタイルが望ましいと考えています。
そうすれば時間も余る。余った時間で新しいことを勉強してもいいし、遊んでもいい。ぼーっとすることだって大切です。そういった「余白」が人生を豊かにしてくれるのは間違いありません。そのためにはどうするか? 答えは集中力にありました。
人間が本当に深い集中力を発揮することができるのは、トレーニングを積んだ世界最高レベルの人間でも4時間なんだそうです。まあ、一般的な人間では1時間もあればいいのではないでしょうか。個人差がある話なので、実際に集中できる時間がどれくらいなのかは置いておきましょう。ここで大切なことは「短い集中時間をどう使うか?」そして、「どうやって高い集中の状態に自分を持っていくか?」ということです。
もうわかりましたよね? その方法が「瞑想」だったんです。
おまたせしました。本題に入りましょう。
そもそも、「科学的に」とはどういうことか考えたことはありますか?
ここが厄介なポイントだったりします。科学的に証明、といってもレベルは様々で、「ニュートン力学」のように疑いようのない「絶対の真理レベル」のものから、いろいろなケースを測定してみて明らかになっている「心理学的・統計学的に正しい」話までいろいろです。今回はこの「心理学的・統計学的に正しい内容」を扱うことになります。
いろいろな研究機関や大学が「こうしたらいいんじゃないか?」と試行錯誤をして様々な方法で測定を試みているのです。そのため、学説は常にいろいろな方向からの意見が出ますし、反対意見も出ます。たとえば、一昔前には「卵は体にいい」と言われていたのに「コレステロールが多いので食べるな」と言われた時期もあります。結局、最近では「卵のコレステロールってあんまり吸収されないのでは?」という方向になってきています。つまり、いろいろな研究をしながら、磨かれていくものなのです。
ただし、エビデンスレベルというものは存在します。エビデンスとは「科学的根拠」「信頼度」といったニュアンスの言葉です。たとえば、まったく信用できないような方法で実験された論文は「エビデンスレベルが低い」なんて言います。反対に、「エビデンスレベルが高い」というのは、「数万人を対象に行った実験で99%の再現性がある」ような内容であれば「ほぼ事実」なので「エビデンスがある」「エビデンスレベルが高い」と表現します。
世界中で出てきた論文を、まとめて研究すればさらに正確なデータが得られると思いませんか? それをやっているのが「メタ分析」です。言ってしまえば「論文の論文」です。現在、最も高いエビデンスをもっている方法だと言われているので、情報を探すときはメタ分析があるのかどうかも気にしてみるといいと思います。
残念ながら、瞑想に関して決定的なほどのメタ分析は見かけたことがありません(僕の調査不足かもしれませんが…)。しかし、「多くの研究で同じことがわかっている」レベルのものであれば存在します。いずれはメタ分析がされると思いますが、いまのところ確度が高い情報としてはそのあたりがおすすめです。以下では、それなりに確実そうなものをピックアップしました。
これは結構確実っぽいです。比較的新しいカリフォルニア大の研究(情報源: Mindfulness from meditation associated with lower stress hormone | UC Davis)でも言われています。僕自身、ストレスが減るのは確かに実感があります。正確には「悪い感情のループに留まる時間が減った」ような感じです。
これも割と研究が盛んです。ウェイクフォレスト大学・他の共同研究(情報源: Mindfulness meditation improves cognition: Evidence of brief mental training – ScienceDirect)でも出ていますが、4日間の短い瞑想をするだけで集中力の維持に効果が出たんだとか。グーグルも瞑想を社内で取り入れていますし、ビジネス的な効果は狙えそうな気がします。
まあ、上の2つと似てますが、これも期待できそうです。イエール大学の研究(情報源: Meditation Associated With Increased Grey Matter In The Brain — ScienceDaily)では、ありがたいことに「お坊さん(monk)でなくても大丈夫!」と書かれています(笑)
たくさんあるので箇条書きします。
基本は非常にシンプル。
集中する必要があるので、環境が悪いと難しいです。たとえば、すごくうるさいとか、くさいとか、あついとか。「さわやかな環境」が望ましいです。
椅子でも床でも構いません。肝心なことは意識の集中なので、どこでもいいそうです。ただ、背筋は伸ばしましょう。結構重要です(あとで説明します)。
瞑想のメインとなる部分です。自分の呼吸に集中します。目はあけていても閉じていても構いません。ためして、やりやすい方を選びましょう。どちらにしても、「2m先の地面を見つめる」くらいの目線が適していると言われます。手の置き場もどこでもいいようです。力が抜ける位置を探してみましょう。とりあえず膝の上にでもおいておきましょう。
呼吸は鼻からします。ゆっくり呼吸をしてみると、鼻の穴や、鼻の骨の裏あたりに風が当たるのがわかるはずです。その感覚に集中しましょう。この状態を瞑想したい時間のぶんだけ維持します。できるだけ腹式呼吸がいいですが、無理はしないでいいと思います。リラックスと意識がメインです。
たったこれだけです。まあ、これだけで理解できる人はいいんでしょう。でも、僕には無理でした。正直わからないところがたくさんあります。そこで、いろいろ勉強したのでその知識をシェアしますね。
「なにか一つのことに集中力を向けるようにする瞑想」がマインドフルネス瞑想です。
代表的なものが「呼吸」ですが、他にも「歩行」や、「言葉」や、「思い」に集中するものもあります。
さて、そもそも「マインドフルな状態」とは、何でしょう?
普段私達はあまり物事に集中していません。たとえば、ご飯を食べながらテレビを見たり、友達と話しているようで、頭の中では仕事の心配をしていたりします。つまり「頭の中と行動が一致していない状態」がたくさんあります。結果として、ご飯が美味しくない、テレビに感動しない、友人の機嫌を損ねる、仕事でミスをする、などのあまり良くない結果に繋がります。
ならば、
これは僕の意見ですが、マインドフルネス瞑想はトレーニングだと思っています。というよりも、そう思って始めたほうがとっつきやすい。そう考えています。もちろん、トレーニングなので続けることで効果が変わります。瞑想関係の話でよく聞く「深いリラックス状態」「ズーンと響く感じ」等は、かなり上達しないと難しいと思うのです。実際、今まで瞑想していて「おっ、このことかな!!?」と思えたのは3〜5回くらいです。
その感覚も、最近になって味わったので、「つづけることで上達する」のは実感として持っています。ただ、いきなり「人生が変わる!」「あたらしい領域へ!」とか考えていると続かないと思うので、最初は「集中力のトレーニングだ」「ついでにリラックス効果のオマケ付き」くらいに考えると楽かもしれません。
僕が瞑想を始めたとき、一番困ったことがあります。
それは、「集中できない」ことです。
瞑想法のところでも書きましたけど、いろんな資料をあさっても、とにかく瞑想について書いてあることって「集中しましょう」だけなんですよね。でも、僕は気が逸れる(笑)調子が悪い日は全くと言っていいほど集中できずすぐに考え事をしてしまったりします。「なんて駄目なんだ、自分・・・」そう思ったりしました。
でも、そう考えると続かないものです。しかし、ある助言との出会いが僕にイノベーションを起こしました。それは・・・
「集中はそれてもOK、その集中を戻すことがトレーニングになっている」 「気がそれる回数が多い人ほどトレーニングの回数が多いので、より鍛えられている」
なるほどね!「戻すこと」が本質だったとは!今考えれば当たり前なんですけど、人間って一つのことに集中していられる時間はとっても短いんですね。筋トレと同じで「逸れる→戻す」を反復することで脳ミソを鍛えようというのがマインドフル瞑想だったのです。
瞑想は、論文によっては4分でいいというものから、2時間といったものまで様々です。瞑想は短くても効果があるという話も多いので、3〜5分くらいを第一段階として考えてみるといいでしょう。というか、最初から長い時間は絶対に無理です。煽っているわけではなく、やらないほうがいいでしょう。効果も得られませんし。5分はわりと苦にならないのでおすすめします。
慣れてきたら、開始から10〜15分程度で起こる「アクティベーション」というエネルギーが湧いてくる効果があるので、集中力アップや効率アップには15分くらいの瞑想ができるようにしていくと効果がありそうです。それもあって自分は15分にしています。
ハーバード大学は27分の瞑想で効果がある論文も出しているので、僕の将来の目標はこのあたり。
ダメ人間の僕は、瞑想してると寝てしまうことがたくさんありました。ここでは、瞑想で寝てしまう人の対策を僕なりにお伝えします。
逆に寝てしまおう。というのがこのコンセプトです。パワーナップとは、短い昼寝のことを言います。疲労回復や集中力の回復に効果があり、企業でも取り入れているところがあります。長さは15分程度〜20分くらいまで行います。それ以上だと深い眠りになってしまうので、それくらいでやめたほうがいいそうです。
人間は目を閉じてから眠ってしまうまでにだいたい20分位かかるそうです。しかし、短い瞑想程度で眠ってしまうということは「そもそも疲れている」ということではないでしょうか?
僕は瞑想を「疲れ具合を測る道具」としても活用しています。瞑想中に寝てしまったら、疲れているということ。素直に寝たほうがいいと思うのです。
対策1からもわかるように、疲れているときは眠りやすいですし、集中力もイマイチです。そのため、判断力が高く元気な午前中に瞑想をしたほうがいいと考えます。特に長い瞑想は朝にしたほうがいいでしょう。瞑想によって更に高めた集中力で仕事に取りかかれば効率もアップできます。
これ、あなどっていたんですがとっても大切です。人間は座りながら眠るとき、まず背中が丸まります。丸くなってから、眠るんです。つまり、丸くならなければ眠くなりにくい。ということ。姿勢を良くすることで眠気を防止する効果があります。
・・・でも、寝不足だと眠気が勝ちます(笑)防止策の一つとして意識するといいでしょう。脳への血流も良くなるので姿勢はとにかく良くしておきましょう。
瞑想に慣れないと、どんな座り方がいいのかわかりませんよね。僕も最初は「あぐら」でやっていたんですが、とにかく足がしびれます。そこで、足をちょっと崩して、「完全に組まないあぐら」にしてみたんですが、それでもしびれました。いろいろ試した結果「半跏趺坐(はんかふざ)」が僕にとってのいい座り方に落ち着いています。
瞑想するときの座り方として、一般的には「結跏趺坐(けっかふざ)」がいいと言われています。格闘ゲーム・ストリートファイターシリーズの「ダルシム」がやっているようなやつですね。両足の甲を、反対の足の太ももに乗せるような足の組み方の座り方です。ヨガといえばこのイメージですよね! 僕も小さい頃、ふざけてやっていました。でも、久々にやったらできなくなっていたんですねー。いや、正確に言えばできるんですよ。でも、めっちゃ足が痛い!とてもじゃないけど長時間は無理です。
そこで、片足だけをもう片足のももに乗せる「半跏趺坐(はんかふざ)」にしてみたのです。ようするに半分だけの「結跏趺坐」です。よく仏様の像はこのポーズを取っているそうで、わりと正式な座り方なんだとか。初回こそ足首が硬いので厳しかったですが、3回目くらいにはストレッチがされて全然問題なくできるようになりました。現在は一月以上この半跏趺坐で瞑想をしています。
でも、あぐらにしろ半跏趺坐にしろ、しばらく座っているとあることに気が付きます。
「このまま姿勢良くしているってきつい・・・」
「おしりと腰がつらくね・・・?」
そうなんです。半跏趺坐は座り方として、どうしてもおしり側のスジが伸びます。そのため、背中を丸めた方が楽に座れます。慣れないとなおさら厳しいです。ですが、これもいい解消法を見つけたのでシェアしますね。それは・・・
「おしりの後ろ側だけ座布団を挟むこと」
です。布団や枕でもいいです。なんでもいいのですが、とにかく「お尻を後ろに寝かせたい状態を支えてくれる」ものをはさみます。体型によるかもしれませんが、だいたい尾てい骨の下くらいまで挟めば十分です。お尻を完全に乗せるスタイルでもいいかもしれません。そのあたりは個人で試行錯誤してみてください。おすすめはちょっと挟む感じです。
瞑想は、一度にまとめて長時間やるよりも、毎日5分やるような方法が効果的です。そのため、習慣化してしまうのがもっとも効果的と言えるでしょう。ここでは習慣化のコツをお伝えします。
何かを習慣化させるとき、楽な方法は今までの習慣にプラスすることです。たとえば瞑想なら、「朝風呂から上がったら瞑想する」「朝のジョギングが終わったら瞑想する」のようにすでに習慣になっている行動に継ぎ足すのが楽に習慣化する方法です。
人生、忙しい日もあれば、疲れている日もあります。なんだかんだで瞑想に10分も使えない。そんなこともあるでしょう。目標が達成できないとモチベーションの低下に繋がります。そこで、「最低でもやっておきたいライン」を設定しましょう。そして、めちゃくちゃ低いレベルに設定することが大切です。たとえば「30秒」だけ瞑想するとか。とにかく、毎日達成できている実感が大切です。
コツ2でも書きましたが、どうしてもできない日はあります。でも、だからといってモチベーションを下げないようにするには「今まで積み上げてきた量」に注目するのが効果的です。スマホなどで記録を取るのもいいです。
ロンドン大学の研究によれば、習慣化にかかる日数は平均で66日かかるそうです。ちなみに、簡単な作業であれば短くなり、難しい作業は長くなります。つまり、この観点からも「簡単な達成目標」にしておくメリットがあります。「自分にとって簡単」なレベルで「とりあえず66日」やってみましょう。
僕のおすすめはこれです。
よく使う設定を保存しておける機能があるので、アプリ起動から2タップで瞑想を始められます。開始までの手間が少ないって本当に大切ですよ。あと、習慣化のコツで話した「積み上げてきた量」がわかるグラフが出るのもとってもいいです。
無料なのでぜひお試しあれ。
紹介したアプリもそうなんですが、瞑想って音楽がついてるものがあります。どうしても気が散る日なんかは、「音あり」でやってみるのもオススメです。思ったより集中できます。自分で試してみて思ったのが、下記の3点
ちょっと慣れれば、瞑想はどこでもできます。電車でも、職場でも、トイレでもできます。自分が焦っているな、と感じたとき。疲れていると気づいたとき。流れを変えたいときに小さく短い瞑想をしてみるのもオススメです。
結構頭がスッキリするので、効率も上がります。ポモドーロ・テクニックのように短い休憩を適度に挟むのはいいことですからね。休憩時間も、タバコ休憩・コーヒー休憩にように「なにかしないと」と思いがちですが、代わりに瞑想もいいと思いますよ。お金もかかりませんしね。
機会さえあれば試してみてほしいのが、これです。自然の中で瞑想してみてください。べつに大自然まで行く必要はありません。ちょっと大きめの公園程度でも構いません。まあ、行く用事が他にあるなら大自然の方がいいですけどね(笑)
ものすごく環境を満喫できるはずです。「あー、瞑想ってこんな感覚なのかも」っていうのがわかります。僕自身も、正解がどれかはわからないですが、「これだけ気持ちよければこれでいいやー」って思えました。ちなみに、仕事で撮影に行った新潟の山の中で瞑想しました。非常におすすめです。
これは本当に自分にとっての革命の一言だったので、最後にまた書かせてもらいました。ぜひ、気楽に瞑想を試してみてくださいね。
もっとエキスパートになれたらそのときの内容など書いていきたいと思います。ではまた。
小林嘉明
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