こんにちは、こばとーんです。
今回は、心理効果の中でも特に強力なものの1つ、社会的証明、ソーシャルプルーフについて紹介します。
理解しておけば、判断ミスを防げるだけでなく、自分から活用することもできる技術ですので、ぜひ参考にしてみてください。
ちょうど題材としてアルハイゼンの伝説任務『隼の章・烏合の虚像』が最適だったので活用していきます。
なぜ、教令院の優秀な学生や学者たちは、あのような行動に出てしまったのでしょうか?そして、なぜ計画は最終的に、あのような結末を迎えてしまったのでしょうか。解説していきます。
なので、ネタバレ注意。
今回の説明では、アルハイゼンの伝説任務『隼の章・烏合の虚像』のネタバレを含みます。さらに、この話は魔神任務第3章5幕の後日談にも当たりますので、両方のネタバレをする可能性があります。かなり核心の部分までがっつり話しますので、未プレイの方は終えてからこの動画を視聴いただくことを推奨します。
今回お届けする内容はこちら
教令院による計画を阻止し、さらに、世界樹やマハールッカデヴァタの問題を解決した旅人とパイモン。平和になったスメールを歩いていると、どうやら人々が噂をしています。
代理賢者に、知論派のアルハイゼンという人が任命されたと。
そんな噂を聞いていると、そこへ記憶をなくした男・イリヤースが現れます。
イリヤースは慌てた様子で、マハマトラに会いたいと訴えました。旅人とパイモンは、セノを紹介しようと教令院へイリヤースを連れていきます。しかし、セノは不在だったため、部下のアーラヴという人物を頼ることになりました。
アーラヴがイリヤースから聞き出した話は、「シラージという男が、危険なことを洞窟で企んでいる。それを阻止しなくてはならない」というもの。
マハマトラによるテストでも嘘はついていないとの事だったので、その調査をし始めることになります。
そこへ合流したのがアルハイゼン。なぜか事件に興味を示し、共に調査する流れとなります。
ここからは、イリヤースの記憶を取り戻すべく、彼の記憶にある断片的な情報をもとに、様々な箇所を巡ることとなります。
その中でわかった事は、相反する2つの事実。彼は以前、英雄的な行動をとっており、教令院から表彰されていること。そして、仲間からとても嫌われていることです。
矛盾を多く抱えるヒントを得ながらも、彼は記憶を徐々に取り戻していき、その情報を頼りにいよいよシラージの洞窟へたどり着きます。
しかし、見つかりにくいアパーム叢林の秘境にある洞窟へ足を踏み入れると、イリヤースの姿が消えました。
実は、彼の目的は「この洞窟へアルハイゼンを連れてくること」つまり、シラージの仲間だったのです。
洞窟の奥へ進むと、シラージとイリヤースが待っており、ことの顛末が語られます。
ここで1度、時系列順に、真相を並べていきましょう。
教令院の同級生であった。アルハイゼンとシラージ。一年前、シラージは自身の研究を賢者へ提出します。しかし、その内容が少し危ういものであったため、当時の賢者はアルハイゼンへ助言を求めます。アルハイゼンは、シラージの研究が禁止されている根源の6罪に関する内容であったり、その手法の詰めがいまいち甘い点などを指摘しました。最終的に、賢者はシラージの研究を禁止してしまいます。
その結果、研究への執念とアルハイゼンへの嫉妬に取り付かれたシラージは、独自に研究機材を集め論文の内容を実行します。
それがハイブマインド。人々の脳を接続し、得意な分野を割り振って計算させることにより、全体で優れた能力を発揮しようというもの。接続された人々は、マスターマインドと呼ばれるシラージをピラミッドの頂点として、能力順に番号が割り振られます。そしてマスターマインドの指示に従って動くことになります。
そのため、あたかも全体が1つの意思を持った存在であるかのように振る舞います。シラージは、これを新しい進化の方法だと考えているようですね。
そして、この進化の概念こそが、研究が認可されなかった原因でもあります。教令院は「人類の進化に関すること」の研究を禁じているためです。
その後1年間かけて、シラージは今回の蜂の巣を徐々に築いていき、その過程でイリヤースのような人物たちに声をかけることになっていきます。
イリヤースは上司の研究上における不正を告発したことにより、教令員からは英雄的な扱いをされていました。しかし、それは同時に、同じ研究に携わっていた学者たちを失墜させることにつながり、彼らからの恨みを買うものだったのです。
仲間たちの群れから弾き出されてしまったイリヤースは、共同研究課題において誰とも手を組むことができず、手詰まりな状態にありました。
そんな孤独感を深めるイリヤースに、シラージは近づき勧誘したのです。「お前を群れに徹底的に馴染ませる方法がある」と。
詳しく語られませんでしたが、他のメンバーも同様の方法で集めたものだと思われます。アーカーシャシステムが止まってしまったスメールでは、今までに比べ、研究者たちのモチベーションが下がっている現象が語られていました。
今までは簡単に手に入っていた情報が苦労して調べないと手に入らない状況に、皆辟易していたんです。
さらに、賢者の入れ替わりなど、教令院では、力関係が大きく入れ替わる事件が多発しました。そういった環境の不安定さや、メンタルの弱みにつけ込んで仲間を増やしていたものだと思われます。
そして、多くの仲間を集め、ハイブマインドを完成させたシラージはアルハイゼンへの復讐として、さらに、自身が賢者なり上がるために計画を始めました。
蜂の巣のメンバー間では記憶と感情が共有され、それらはマスターマインドであるシラージによって統合されています。シラージは、全員の記憶と感情にアルハイゼンへの憎悪を植え付け、その恨みを原動力とすることで、蜂の巣の意思を統一していたのです。
そしていよいよ今回の計画が動き出します。
シラージ36号として群れの一員となっていたイリヤースは、ハイブマインドのシステムによって記憶の1部を消去し、「シラージの危険な実験を告発しに行く純粋無垢な正義感あふれる研究者」として差し向けられたんです。
当然、記憶がないため、彼が嘘をつく事はありません。マハマトラの虚偽検出テストに引っかからなかったのもそのためですね。
計画通り、彼はアルハイゼンを連れてシラージの元へ戻ることとなります。
しかし、アルハイゼンはそれらを全て見越していました。
ムービー
いや、アルハイゼン、かっこいいですね。
蜂の巣では記憶と感情が共有されます。その機能を利用して、シラージはアルハイゼンへの恨みや嫉妬の感情を皆に共有し、怒りを原動力としていました。
しかし、イリヤースは今回の旅の中でアルハイゼンの良い一面をたくさん見ることになったんですね。
その結果、イリヤースが蜂の巣に戻った途端、その記憶と感情が共有され、シラージへの疑念が蜂の巣全体で広がっていくこととなりました。
最も根源的な原動力であった。「アルハイゼンは嫌な奴である」というパワーを失ってしまったため、結束力がなくなったと考えるとわかりやすいでしょう。
以上が今回のエピソードの顛末です。
続いて心理解説に移っていきますね。
今回の騒動では、相当な数の学者がイリヤースとともに、シラージの元へ集まっています。学者たちは、皆皆頭が良いはずなのに、なぜこのようなことをするのでしょう?
ヒントは「社会的証明」という効果にあります。
「みんながやっているから、私もやろう」社会的証明の効果を一言で表すならこのようになります。
誰しもが身に覚えのある現象ですよね。
例えば、新しい学校や職場に赴任した場合を想像してみて下さい。なじみのない場所では、そこでのルールが分かりません。そのため、私たちは周りの人々が「普通どうやっているのか」を観察することによって、同じような行動を取ろうとします。
職場であれば、同じような職種でも作業のやり方に違いが発生したりしますし、学校であれば、授業を始める際のルーティーンが変わったりもします。
ひとまずルールやしきたりがわからない場所では、「周りのみんなに合わせておけば安心」という1つの基準が私たちの中にはあるのです。
このように周囲の人間が何をしているのかに合わせて自分たちの行動が変わってしまう特性を「社会的証明」といいます。英語だとソーシャルプルーフですね。
これは数ある心理現象の中でも、特に強力なものの1つです。
そのため、様々な場面で活用されています。身近なものだとAmazonのレビューなんかもそうですね。
あなたも、買い物をする前に、レビューをチェックすることがあるでしょう。商品の使い勝手を知る事はもちろんですが、周りの人々がどのような感想を持っているのか知りたい気持ちも私たちにはあるんです。
事実、レビューをしっかり載せている方が売り上げが上がります。Amazonの急激な成長を見れば、それは明らかですね。Amazonはそれまでの通販サイトと異なり、忖度なしのレビューを全て公開した点が特別だったんです。ある意味、公正なシステムを取り入れたことによって、ユーザからの信頼を勝ち取りました。結果として売り上げを爆発的に伸ばし、今の巨大企業へ成長したわけですね。
社会的署名の協力者は、Amazonのレビューのようなライトな影響だけではありません。実は、命に関わるような行動にすら影響することがわかっているんです。
社会的証明を語る上で、外せない事件がジョーンズタウンの事件でしょう。
詳しい地名や人名を並べると話が分かりづらくなってしまうので、詳しく知りたい方は「ジョーンズタウン ガイアナ」などのキーワードで検索すると詳細がわかるはずです。
ざっくりと事件の概要を紹介すると、アメリカにあった”あるカルト宗教”の集団が、アマゾンの密林に突如集団移住しました。そしてその後、毒入りのカプセルを飲んで、集団自殺した、という事件です。
彼らはそれが毒であることを知らなかったわけではありません。先にそれで死んでしまう仲間も見ています。
しかし、それを理解していながらも、彼らは毒を飲み集団自殺したんです。
この異様な事件をひもとくキーワードが社会的証明。彼らは周りの行動を参考にして、自分の行動を決めてしまったのです。
「命がかかっているような場面で、そんなまさか」と思うかもしれませんが、それが起こってしまった。これが事実です。
とは言え、私たちの頭の中に疑問が残るのもまた事実でしょう。実際、私たちが同じような境遇に置かれたとしても、毒は飲まないはずです。
その違いはどこにあるのか?研究によると、”ある条件”を満たすと社会的証明の効果はかなり強力になることがわかっています。
ポイントは2つ。
1.社会的証明は、同じ属性の相手からの方が影響が強くなる
2.社会的証明は隔離された集団内であるとより強力に効果を発揮する
それぞれ説明していきましょう。
私たちは、周りの人間の意見を参考にする際、より、自分と近い条件の相手の意見を重たく捉えます。
例えば、女子高生向けのコスメを販売する様子を想像してみましょう。先程のAmazonのレビューのように、誰かにオススメをしてもらうことを考えるのであれば、女子高生にお勧めしてもらうべきです。
おじいちゃんにお勧めされても買う気が起きない事は想像つきますよね。
これはどんな場合にも言えます。年齢や性別が近く、属性が同じ相手であるほど、社会的証明の効果は強くなるんです。
社会的証明の効果は隔離されている集団の中でこそ強く発揮されます。
例えば、ブラック企業を想像してみてください。タイムカードを定時で切らせて、その後も残業させる。なんていうのは、明らかな労働基準法違反です。しかし、ブラック企業ではよくあることですね。
彼らは「この会社では普通の事」と思っています。「みんながやっているから、それがルール」そんな感覚になっているわけです。
これがおかしいことだと判断できるようになるためには、他の会社の基準を知っている必要があります。
つまりより広い範囲の相手を参考に判断できるようになると、ブラック企業のルールに縛られなくなるわけですね。
いろいろな会社を経験してきて、ブラック企業に入った人は『そんなルールはおかしいですよ』と指摘することができます。しかし、新卒でブラック企業に入ってしまった人は、他の会社の常識を知りません。そのため、簡単にブラック企業のルールを当然のことだと思い込んでしまうのです。
さらにもう少し想像力を働かせてみましょう。私たちは、インターネットが発達したことにより、労働基準法があることや、他のホワイト企業での労働環境を知ることができます。
しかし、もしインターネットが発達していなかったらどうでしょう?企業というシステムは働いている人間にとってかなり”閉じられた環境”です。
他の場所のルールを一切知ることなく、初めて勤める場所がブラック企業であったのなら、あなたの知っている世界は、その組織のルールだけ、ということになります。
つまり、どんなおかしなルールでも、常識になり得てしまうんですね。
以前紹介したリオセスリの伝説任務における「制帽の会」でも同じような現象が起きていましたね。外から見たら、完全におかしいルールであるにもかかわらず、彼らはそれを当然のこととして受け入れていました。
それこそ、命に関わるような危険なことですらさせてしまう、そんな強力な力が社会的証明にはあるんです。
ジョーンズタウンの事件は、同じ宗教を信じる仲間や、同世代の似た境遇の人々の集まりでした。そして、さらに密林の秘境に移住してしまったことによって、周囲から隔離された集団になってしまったんです。
それらの条件が揃ったことにより、異常な行動が、あたかも常識であるかのように行われてしまったんですね。
さて、社会的証明の強力さは理解していただけましたね。ここまでの話を聞いて、ふと気づいたことがあるのではないでしょうか?
『蜂の巣とジョーンズタウンは似ています』よね。
隔離されたジャングルの秘境に存在していて、1人の教祖がおり、そして、全員が同世代の教令院の学者であるという共通点があります。
つまり、蜂の巣では、社会的証明がこれ以上ない位強力に機能する条件が揃っているんです。
さらに言えば、ハイブマインドのシステムによって、彼らは記憶と感情を共有しています。それこそ、同じ考えに染まりやすい条件をこれでもかと満たしている環境といえますね。
このような状況下であれば、どんなおかしな話でもシラージの言うことを聞いてしまうことになるでしょう。教令院で禁止されている研究内容だとわかっていたとしても、それを全員に行わせるだけの力があって当然なんです。
ましてや、イリヤースのように、そもそも集団から阻害されていた人間にとっては、唯一の居場所となり得ます。
心理的にも、物理的にも、隔絶された場所に置くことで、より強力な効果を発揮していると考えられますね。
蜂の巣の崩壊は、社会心理学的に考えても理にかなっています。
せっかく隔離された環境を構築していたにもかかわらず、イリヤースに外の情報を持ち帰らせるという行為は、広い世界を参考にさせる行動に他なりません。
外の世界とつなげてしまえば、蜂の巣の中の常識がおかしい事が明らかになってしまいます。ましてや、イリヤースが持って帰ってきた情報は、「アルハイゼンについての好印象」でした。
蜂の巣を支えるそもそもの原動力であるアルハイゼンへのヘイトをひっくり返してしまうような情報なんです。
その情報がハイブマインドのシステムを使って、記憶と感情を一気に拡散させることになりました。社会的証明の効果が非常に弱くなるので、シラージの洗脳が溶けてしまうのは当然のことと言えますね。
先程のブラック企業の例えに話を戻せば、ブラック企業しか知らなかった新卒社員たちに、「ホワイト企業がどんな待遇であるのか?」「労働基準法とは何なのか」そして、「そもそもの賃金の良さ」などを共有してしまうようなものです。
「ブラック企業に所属しているだけ損」ということが知識としてわかってしまえば、退職者が続出する事は免れないですよね。最悪、訴訟を起こされて、会社が潰れてしまうでしょう。
実際蜂の巣はそのようになったわけです。
ここまでの話を踏まえた上で、ストーリーをよく見てみると、おそらくアルハイゼンが蜂の巣を潰さなくても蜂の巣は瓦解していたことがわかります。
それは蜂の巣に空き部屋があることに触れたシーンからわかりますね。
シラージは、蜂の巣メンバーを数人、教令院へ送り込んでおり、自分を賢者に押し上げるための工作をしていました。
はい、もうわかりますよね。
彼らは蜂の巣の外の情報を持ち帰ってきてしまうことになるんです。
ひょっとしたら、「アルハイゼンが良い仕事をしている」みたいな内容が舞い込んでくるかもしれませんし、そうじゃなかったとしても、「外の世界の常識」が流れ込んでくるはずです。
そうなれば、蜂の巣の崩壊は止められないでしょう。
アルハイゼンはシラージの論文の欠点を指摘していましたが、まさしくこういった点が見えていなかったところが、彼の理論が甘かった所以なのでしょうね。
蜂の巣が瓦解したもう一つの理由として、嫉妬心や虚栄心があるでしょう。
蜂の巣のメンバーは、シラージによってナンバリングされた順番通りに役割を担っています。しかし、『その順位は不当に低いものである』『自分の能力はもっと高いはずだ』といった意見が蔓延して蜂の巣が壊れました。
これらはもちろん、蜂の巣を構成するメンバーの見えっ張りな気持ちや、嫉妬の感情が原因になっています。
しかし、これらの感情の起点も、実は社会的証明なんです。
よく考えてみてください。彼らは1度、シラージの勧誘に乗って、番号に納得をし、蜂の巣に参加しています。つまり、本来は番号に不満はなかったはずなんです。
シラージはアーカーシャシステムに残っていた「脳の記憶容量」をベースに評価付けを行っていたようですが、その評価基準の妥当性を信じ込ませるためにも、社会的証明が働いていたと考えられます。
ところが、イリヤースは外の世界の基準を持って帰ってきてしまいました。
作中では、アルハイゼンの「君の能力は、そんなものでは無いだろう」といったセリフがありましたよね。これはアルハイゼンの有能さを引き立たせるための演出を兼ねている抜き出し方です。実際のところは、番号が低いからといって蜂の巣の参加を断った女性・ジャナキの意見がかなり強力に効いていると思います。
イリヤースは、「番号に不満を持つ」という考え方を外で見聞きすることによって、新たな判断基準を知ったんです。そして、それが蜂の巣に持ち帰られることにより、記憶と感情が共有され、全体に新たな視点が生まれることとなります。
つまり、イリヤースの帰還と同期で初めて『自分の番号に対して不満を持っても良い』という考えが蜂の巣全体に芽生えて、それを起点に虚栄心や自尊心が爆発した、というわけです。
ここまで考えて最初から行動していたアルハイゼンはマジですごいですね。
様々な理屈がわかった。ところで、アルハイゼンが、どのように考えて行動したのかを1度時系列順でおさらいしておきましょう。
最初、おそらくアルハイゼンは普段通り仕事をしていたと思われます。
そこへ入ってきたのは、シラージから逃げてきたという青年の情報。アルハイゼンは、既に読んだことのあるシラージの論文や、もともと自分が知っている社会的証明の知見などを組み合わせ、1つの仮説を立てます。
おそらくシラージが論文で発表していた配布マインドのシステムを完成させているであろうこと。そして、目の前の青年は、そのシステムと何らかの関わりがあるであろうことです。
そして、実際にイリヤースと会話をすることによって、彼が記憶の改善を受けている可能性を見出しました。おそらくアルハイゼンは、シラージの論文とアーカーシャシステムの仕様を知っていたんでしょう。イリヤースがシラージから記憶改竄を受けていると当たりをつけます。
そのことから、ハイブマインドの構成員の一員であることにも予想をつけていたと考えられますね。
なので、そこからは、論文の穴を利用するべく、記憶を取り戻す作業を手伝いながらも、外の世界の判断基準をイリヤースに学習させていきます。
実はこの時点でアルハイゼンの勝ちは確定しているとも言えるんです。
アルハイゼンは、イリヤースに対して辛いことを思い出さなくても良い選択肢を途中で与えます。これは『無理をしなくていいんだよ』という自分の優しさをアピールするためでもありますが、無理に思い出さずともイリヤースがいずれ蜂の巣へ帰ると予想がついていたので、蜂の巣崩壊までのビジョンが見えていたのでしょう。
これについては、シラージも『イリヤースは必ず蜂の巣へ戻ってくると確信していた』と発言しています。
そのシラージに対してアルハイゼンも、『シラージが必ずしっかりと計画を練ってくること』まで冷静に評価していました。
なので、不思議な話ですが、シラージの計画がしっかりしていることを信用していたが故に、逆に、この時点でイリヤースから手を引いても計画が潰れる事はわかっていたんです。
アルハイゼンの知能指数高すぎる立ち回りにびっくりですよね。
イリヤースが記憶を取り戻した後の動きは概ね予想通りなんでしょう。とりあえず、自分の仕掛けた爆弾が起動するまで時間稼ぎをすればいいだけです。
後処理も面倒なので、あらかじめマハマトラも呼んでおいてます。自分の手間を減らすこともしっかりと視野に入れているなんて、さすがすぎますよね。
このように、俯瞰的かつ合理的に判断できるアルハイゼンの特性は、以前分析したサイコパス性の高さが故の能力だと推察できます。
いかがだったでしょうか?非常に強力な心理効果である社会的証明について詳しくわかったのではないかと思います。それと同時に、アルハイゼンの高い能力もわかりやすい題材でしたよね。
改めて、ホヨバースの脚本力の高さに驚かされる分析でした。
また、別の面白い内容があったら解説していきたいと思います。今回の内容が面白かったら、高評価、コメントチャンネル登録そして通知のベルマークの音をお願いします。
それでは今回の情報も、あなたが原神を楽しむための一助として参考まで。
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