今回は『アイデアの出し方』
もし、アイデアがするする出てきたら最高だと思いませんか?
会社の同僚や上司から評価されることはもちろん、個人事業主の方であれば素晴らしいビジネスアイデアにもつながりますよね。また、仕事の話だけじゃなく生活が豊かになるような便利アイデアを思いつく事もメリットのひとつ。
そんな出てきたら素晴らしいアイデアなんですけど、実は科学的にアイデアの出やすい状態はわかってるんです。
今回は『アイデアが出てくる条件』についてしっかりと深掘りしていきましょう!
今回お届けする内容はこちら
こんにちは!小林嘉明です!
僕はお風呂が好きです。時折、シャワーを浴びていたりするとアイデアを思いつくことがあるんですよね。あなたもきっとシャワー中にアイデアが思いついたことが経験的にあるんじゃないでしょうか?
実は、今回お届けしているこの内容もお風呂に入っている時に考えついたものだったりします。
あるシャワーヘッドメーカーの調査によると、シャワー中にアイデアが出てきた経験のある人は実に72%にも上るんだそうです。それくらいシャワー中はアイデアが思い浮かびやすいということなんですね。
じゃあアイデアを思い浮かべるためにはシャワーを浴びればいいんでしょ?ってのはちょっと違います(笑)
アイデアの『ひらめき』には、シャワーに入ってお風呂に入っている時に発生している『脳の状態』が非常に重要なんです。
ちなみに、アイデアなんて言うと非常に大それたものに感じられるかもしれません。でも、些細なものでいいんです。
『そういえば洗剤買い忘れてたな』
『そろそろ冬支度をしておいた方がいいな』
みたいな思い出しとか、思いつき程度のものもアイデア。その程度でいいなら確かに思いついてるかも!?って感じますよね。
僕たちの脳には二つのモードがあると言われています。一つは『実行注意ネットワーク』と呼ばれるもので、いわゆる『集中力を司っているモード』。自分の外側で起こっていることに対して注意を向けている時に活発な機能です。
そして、もう一つのモードが『デフォルトモードネットワーク』。自分の外に注意が向いていない状態のことを言います。ボーッとしたり、シャワーを浴びている時ですね。
実行注意ネットワークとデフォルトモードネットワーク、2つを切り替えながら生活しているんです。
そして意外なことに、人間の脳は集中して物事を考えている時よりも、ぼーっとしている時の方が脳の処理能力を何倍も使っていることが分かっているんです。脳の消費カロリーで換算すると、全体の75%程度をデフォルトモードネットワークが消費していると言われています。
えー!ぼーっとしてる癖に・・・?
って思うかもしれません。
デフォルトモードネットワークは『記憶の整理』や『記憶から情報を引き出す』等の作業をしているんです。脳のいろいろな部位を連動させて、情報を総合的に整理したりしてくれるのがデフォルトモードネットワークの機能なんですね。そして、その情報を整理している時に記憶と記憶が結びついて、新たな『ひらめき』につながる訳です。
つまり、発想力には欠かせない機能ってこと。
言い換えれば、デフォルトモードネットワークを上手に活用することができれば、優れたアイデアを量産できる可能性があるのです。
また、デフォルトモードネットワークが起動している時の精神状態を『マインドワンダリング』と呼びます。マインドは『思考』ワンダリングは『さまよう』という意味なので『思考がふらふらと自由にさまよっている状態』のことを指します。
ふとした時に考え事をしてしまって、気づいたら数分経っていた、なんて経験ありますよね?まさに、その瞬間がマインドワンダリングの状態。
思い出してみてください。ほとんどの『ひらめき』はマインドワンダリング時ではなかったですか?
アイデア出しましょう!って必死に考えている時ってほとんどアイデアは出ないんですよ。
かの有名な数学者、アルキメデスも使えていた王様から『自分の王冠がすべて純金か調べてほしい』という依頼を受け、必死に考えてみたんだそうです。ところが、なかなか確かめる方法が思いつかない。しかし、お風呂に入っている時、自分が湯船に浸かって水が溢れる様子を見た時、唐突に閃いたんだとか。
ちなみにその時、あまりの喜びに『ヘウレーカ(わかったぞ)』と叫びながら街の中を裸で走り回った、という非常に面白い伝説を持っています。
なので、アイデアを出すには生活にマインドワンダリングな状態を取り入れていくといいでしょう。
じゃあ、頑張ってる時間って無駄なの?
ここまでの話を聞いて『じゃあ、ぼーっとしてればいいんだ』って思ったら要注意。確かにひらめきは一瞬で、リラックスしている時に起こります。
しかし先程も書いたようにデフォルトモードネットワークは『記憶を整理する』機能です。なので、元ネタとなる記憶がなければアイデアは生まれません。
つまり、たくさん勉強して、脳内に情報をたくさん取り入れて置くべき、ってこと。そして勉強に必要となる機能は、そう、実行注意ネットワークです。
要するに、実行注意ネットワークを使って『インプット』した情報を、デフォルトモードネットワークが『ひらめき』に変えてくれるわけです。両方を使うことが大切なんですね。
ぼーっとするだけ、ということで非常に楽そうなマインドワンダリングですが、ある罠が潜んでいます。それは反芻思考というもの。例えば昔にやらかしてしまった大きな失敗、トラウマ的体験等を思い出してしまって、ずっと頭の中でループしてしまうことってありますよね?これが『反芻思考』です。
思考を自由に泳がせるマインドワンダリングには『反芻思考』に陥りやすい特性もあるんです。ストレスなだけでなく、生産性もないので、注意が必要になります。
でも、どうしたらいいんでしょう?
その答えをヨーク大学が研究してくれているので紹介しますよ。
ヨーク大学は『マインドワンダリングと脳のサイズ』について調べてくれました。『自分の意志でマインドワンダリング』しているグループと、『自然発生的にマインドワンダリング』しているグループの脳のサイズを比較したんですね。
自発的、というのは『よし、これから何も考えない時間を作るぞ!』って進んでマインドワンダリングすること。反対に自然発生的とは『気がついたら反芻思考していた』ってパターン。要するに意識のコントロールで差が出るのか?って調査ですね。
その結果、意図的にマインドワンダリングを行っている人は脳のサイズが大きく、逆に自然発生的マインドワンダリングをしてしまっている人は脳のサイズが縮んでいたそうです。
ここからわかることは、自発的なマインドワンダリングをしていくといいよ、ってこと。つまり努力で解決できるので、非常に良い結果ですよね。
ちなみに最近流行った言葉で『マインドフルネス』という言葉があります。
平たく言えば『一つのことに全力集中する』状態で、家事でも、仕事でも、趣味でも、呼吸でもいいので、とにかく雑念を取っ払って没入することを指す言葉です。
集中や没頭は生産性を上げるだけでなく、幸福度も上げてくれると言われていて、近年マインドフルネスが注目されてるわけですね。
『マインドフルネス』と『マインドワンダリング』は全く逆のことだよね?そう思うかもしれません。しかし、実はこの二つは結構近い特徴を持っています。
・マインドフルネスは『意図的に集中』
・マインドワンダリングは『意図的にぼーっとする』
そう、『意図的に意識をコントロールする技術』なので、本質的に同じ能力なんですね。
片方できれば両方できるはず。意識のコントロールは上手であるほどいいので、ぜひ両方できるようになりたいところです。
マインドワンダリングを鍛えるには、お風呂意外にも散歩が効果的。ぜひ、『自発的になにも考えない時間』を作ってみたらどうでしょうか?
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