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アップセルは『置いておくだけ』で売り上げを上げる方法!【心理学的解説】

今ある商品にちょっと工夫をすれば、意外と簡単に収益アップが出来たりします。

難しい計算も要らないどころか、すでにあなたもお客様として体験しているものなんです。今回はそんな『アップセル』について心理学を絡めて解説します!

アップセルは『ついで買い』の仕組み

マーケティングの世界にはアップセルと呼ばれる手法が存在します。

商品購入を決めた顧客に対し『プラスアルファで商品を提供することで収益を伸ばす手法』です。

アップセルは個人導入も簡単

アップセルは非常に単純。なので、個人のビジネスでも取り入れることが可能なんですよ。難しい計算などは必要ありません。購入を決定したお客様に『ついで買い』ができるような仕組みを用意するだけで導入できます。

実店舗ビジネスであれば、レジの横に『ついで買い』ができるような商品を置いておく。ネット上の商売であれば、決済画面に『他にもこういった商品は必要ありませんか?』という提案を表示する。たったそれだけの手法です。

『置くだけでいい』簡単さが魅力

『たったそれだけのこと!?』と拍子抜けするかもしれませんが、効果は大きく、この手法を取り入れるだけで収益が2倍や3倍になることもあります。

そして、何より大切なことは『置いているだけ』ということ。

当たり前な話ですが、商品を置いておかなくては収益が立つことはありえません。逆を言えば、置いてあるだけで収益をかなりアップさせることができるってこと。当然といえば当然なんですけど、あんまり考えたことないですよね。

とはいえ、適当に商品を置けば良いわけではないので、もう少し深掘りしていきましょう。

アップセルを使うには人間の『一貫性』を理解しよう

アップセルの裏には『一貫性の原理』が働いています。一貫性は以前動画でも解説しているのでよかったらそちらもご覧ください。

簡単に一貫性の原理を説明すると、『人間は一貫した行動を取りたがる習性』を持っているということ。

『言った約束を守る』のようにシンプルな内容から、『自分のキャラクターを守ろうとする』ような少し幅の広い捉え方まで様々な方法で、一貫性を保とうとする性質が僕たちにはあるんです。

では、商品購入の時に働いている一貫性とは何でしょう?

それは『商品を購入する』という一貫性です。最もよくアップセルが使われる事例をあげるのであれば『車の販売』があります。

車販売の一貫性とアップセル

車本体を300万円で契約した後に
『カーステレオはいかがですか?』
『ABSはどうですか?』
など、オプションを勧めてくることがありますよね。

このとき、あまり断る人はいません。『一度購入を決定してしまった』事実が後押しをして『カーステレオもついでに買おうかな?』『ABSもついでにつけてしまおうかな?』いうことで『ついでに』『せっかく』という理由がさも当たり前な購入動機として働く現象がおきるんです。

これが『一貫性』。
先ほどの『コンビニの例』に話を戻すと、コンビニでは車を買った時のように『既に購入している』わけではありません。ところが、コンビニに行くという行為自体が『すでに何かを買うつもり』でお店に入っているわけですし、『商品を手に持ってレジに並んでいる』時点であなたはお会計をする意思があるということです。

それならば

  • お会計の『ついでに』ガムを買う
  • 『ついでに』肉まんを買う
  • 『せっかくだから』唐揚げを買う

といった行動を誘発しやすくなっているんですね。

もともと買いたいと思っていましたか?

冷静に考えてみてください。
果たして、肉まん単体で販売されていたら買っただろうか?ガムだけを目的で購買行動をしただろうか?

おそらく、ついで買いした商品等はもともと買う気がなかったのではないでしょうか? そうなんです。コンビニは『置いておくだけ』でガムの売り上げ、肉まんの売り上げ、唐揚げの売り上げ、を立てることができている。ということ。

マーケティング的な売り方は『汚いやり方』なの?

さて、『心理学的に物を売る』とか『マーケティングで商売する』と聞くと『お客さんを騙して商売するんでしょ?』とか、『少し汚い手法なんじゃないか?』と思う方、抵抗感を持つ方もいらっしゃいます。

ところが、よくよく考えてみてください。

あなたがコンビニでガムをついで買いした時、コンビニを悪く思うでしょうか?むしろありがたいと思うのではないですか?

『ちょうどよかった!』を提供することがアップセルの鍵

例えば、脂っこいお弁当を買っ脂っこいお弁当を持ってレジに並んでいた時に『口の中がスッキリするようなミント味のガム』がアップセルされたらどうでしょう?『ちょうどいいや!』っていう感じで買いませんか?

冬場にホットコーヒーを買いにコンビニに行って、レジに並んでたら横に置いてあった『あったかそうな肉まん』を見て『いや〜、ちょうどこういう温かいの食べたかったんだよね!いいとこに置いてあるわ!』って買いませんか?

まさに、お客さんからするとちょうどいい商品がそこに置いてある。ということなんです。要するに、『ちょうど良い商品』を提供してあげることがアップセルの鍵。では、理解を深めるために、もう少し具体的に商品展開を考えてみましょう。

【事例考察】パーソナルトレーナーのアップセル商品

例えば、あなたがスポーツトレーナーやパーソナルトレーナーのような仕事をされているのであれば、『30日間で体重10キロ落とすエクササイズコース』みたいな商品を販売しているかもしれません。ここではそうしましょう。

そして、その商品を買ってくれる人たちがいるわけです。

アップセルは、その商品を買ってくれる人達にもう一段階オファーをするんです。

パーソナルトレーナーのアップセル例

『もう少しハードに頑張れる方はダイエット期間を15日間に短縮するメニューもあります』
『ただ、これには食事制限やさらにオプションで加える運動がありますので、希望者のみに追加販売しています』

といった形で提供すればいいんです。

基本の商品だけで満足してくれる人ももちろんいます。しかし、『もっと短期間で高い成果が出したい』というニーズもあるはずです。

なので、あなたは追加商品を用意することができればハイレベルなニーズに応えられます。そして、お客さんはあなたから『自分の欲求に合った商品を提供してもらえる』ことで喜んでくれるはず。

『ちょうどいいもの用意してくれてたね』
『ついでに買えるなんてラッキー』

そう思ってくれるはずです。

そう、相手が必要としているもの、よりニーズを強化してあげられるもの、役に立つもの、等を提供してあげられればいいんです。

お客様の助けになる商品をアップセルして、Win-Winの関係を作ろう

心理学的に物を売る、マーケティングで商売をする、ということは悪い手法ではありません。むしろ『お客さんのためになる手法』だと言ってもいいでしょう。

今回紹介した以外にも、色々なパターンが考えられる方法ですので是非ご自身のビジネスに取り入れる方法を考えてみてください。

[動画版]アップセルを心理学的に解説

動画版で解説もしています。よければ御覧ください。

売上を『置くだけ』で伸ばす!心理学的マーケティング手法の秘密【一貫性とアップセル】

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