集中力

最強のマルチタスク対策、それは“タイマー”だ

こんにちは。小林嘉明です。

今回はマルチタスク対策の話。

『シングルタスクがいいよ』と言うのは心理学では共通の認識なんですけど、現実にはそうもいきません。家事をこなさなくてはいけなかったり、別のタスクが割り込んでくる事はよくあるでしょう。

特に自宅で仕事をしている人には参考になる話になると思うので、よかったら見ていってください。

お悩み『在宅でマルチタスクになりがち』

前回に引き続きstand.fmでレターをいただくことができました。ありがとうございます。

で、今回も質問をいただいておりますので、答えていく形で進めますね。

私は家事育児しながら自宅で仕事をしていますが、雑念が多くマルチタスク癖があります。 シングルタスクの方が集中できて効率的なのはわかっているけど、、と言う悩みです。
もともと女性は子育てしながらいろいろ同時進行するシーンが多いし、マルチタスクができちゃう脳の構造?かもしれないのですが、やはり集中力が削がれます。
アドバイスいただけるとうれしいです🙏

と言うわけで、家事をこなしながら仕事をするためのマルチタスク対策ですね。

最近は在宅ワークの人も増えているので、同じような悩みを持っている人も多いのではないでしょうか。

早速行ってみましょう!

マルチタスク対策はタイマー

結論から言います。タイマーを使いましょう。

具体的には下記の手順。

  • 先に予定を決める
  • タイマーをオンにして作業スタート
  • 時間が来たら次の作業に移る

めちゃくちゃシンプルですよね。

ただし、効果は絶大です。上手に使うためにも、詳細を見ていきましょう。

時間を決めると人は“やる”

まずタイマーの強力さ。

これがすごいんですよ。人間って『〇〇をやる時間ですよ』と決まってれば、不思議と“やらないといけない気分”になるんですよね。

たとえそれがハードな事でも。

代表的な例が“筋トレ”。

やりたくないですよね(笑)

でも、タイマー系のアプリを使って運動すると、意外なほどできちゃうんですよ。最近のアプリはめちゃくちゃよくできていて、『次はスクワットです。3.2.1…スタート!』みたいにカウントダウンしてくれたりもします。

するとあら不思議。なんでかスクワットやっちゃうんです。

『ホントかよ』と思うかもしれませんが、あなたも体験しているんですよ。

例えば学生時代。体育の授業を思い出してください。どんなに体育の授業が嫌いでも、始業のチャイムがなったら着替えて校庭に行きませんでしたか? 走るのが苦手でも、ホイッスルがなったら50メートルをしっかり走りませんでしたか?

そうなんです。私たちは『〇〇をやる時間です』と決まっていれば意外な位行動できちゃうんですよ。

なので、時間を決めてタイマーをセットする。シンプルなようでめちゃくちゃ強力なテクニックです。

マルチタスクで成果を上げる2つの実験

ではここからは、科学的な証拠も紹介しておきましょう。2つの実験を紹介します。

マルチタスクよりもシングルタスクが良い事は言うまでもありません。しかし、仕方なくマルチタスクをしなくてはならない時がありますよね。これから紹介する2つの実験は、マルチタスクをしながらも成果を落とさないための実験です。

マルチタスクとクリエイティブの実験

まずはコロンビア大学の研究。マルチタスクで創造性を上げるためにはどうしたら良いのかを実験してくれてます。面白いですね。

“Switching On” creativity: Task switching can increase creativity by reducing cognitive fixation

実験では3つのグループを作って比較しています。

  1. 持ち時間を半分に分けてタスク1 、タスク2を順番に行う
  2. 短めに決めた間隔で、2つのタスクを定期的に切り替える
  3. 自分の意思で自由に2つのタスクを切り替える

結果はグループ2の圧勝。はえー、って感じっすね。

理由は“煮詰まるから”です。

どうやら僕たちはひとつの作業にずっとついていると、だんだんと視野が狭くなってしまうみたい。『認知の固着』なんて呼ばれる現象っすね。

なんとなく体感としてもわかりませんか? ずっと椅子に座りながらアイディアを考えていてもなかなか出てこないものですよね。一定期間で作業を切り替えていく方がクリエイティビティーを保てるってこと。今すぐ使えるので、ぜひやっていきましょう。

マルチタスクによる害を減らす実験

Why is it so hard to do my work? The challenge of attention residue when switching between work tasks

今度はミネソタ大学の実験。実験対象の学生を4つのグループに分けています。

  1. タスク1をやり終えてからタスク2に移る
  2. タスク1を途中で切り上げてタスク2に移る
  3. 決めた時間でタスク1を終えてからタスク2に移る
  4. 決めた時間でタスク1を途中で切り上げてタスク2に移る

こちらは3番の効率が最も良かったそうです。なんと他のグループよりも30%高かったとか。

これは使わない手はないですね!

個人的な予想ですが、おそらくツァイガルニク効果に近い現象が関わっているのではないかと思います。“中途半端で止まってしまっているものがずっと気になる現象”のことですね。

完結していないドラマの続編は気になるのに、完結してしまった作品は記憶から消えたりしませんか?

まさにこれがツァイガルニク効果。

おそらく、決められた時間内でしっかり終わらせていることにより、頭がすっきりしているんじゃないかと。なので、次の作業に全力で没頭できると言うわけですね。

作業の締め切りを設定することが大切

2つの実験からわかる事は、作業における締め切りの重要性です。

  • 1つずつの作業に充てる時間をしっかりと決める
  • タイマーをつけたら没頭する
  • 時間が来たら頭を切り替える

この3つを意識するだけでぐっと効果を上げられるでしょう。簡単なのでぜひ使ってください。

タイマーは短めがオススメ

僕も似たような手法を使っているので、コツを紹介しておきます。

端的に言うとタイマーを“短く”すること。

具体的には10分から20分が良いでしょう。ただ、この長さには個人差があるので、それぞれに合わせてカスタマイズしてください。ちなみに、僕にとってのベストタイムは15分。

理由は逆の状態を考えてもらうとわかりやすいです。

長過ぎるタイマーの場合

タイマーの設定時間が“24時間“だったらどうですか?

タイマーをスタートした瞬間は作業に向かう意識があるかもしれませんが、1時間もしたらタイマーのことを忘れてそうですよね?

そうなんです。タイマーは長すぎると意味がありません。

短すぎてもいけない

だからといって短すぎると忙しなさすぎます。

“3分ずつで切り替える”とかですね。短すぎて、どの作業も完了しなさそうな事は想像に難くないでしょう。

大切な事は“自分にとってちょうどいい長さを見つけること”。

同じ作業でも人によってかかる時間は違いますから、少しずつ自分に合うように調整してみるようにしましょう。

概ね、10分から30分の枠に当てはまるはずです。とりあえず20分位から始めてみるのがいいかもしれませんね。

タイマーは“見えるアプリ”が良い

タイマーのタイプにもオススメがあります。

それは“カウントダウンが見える”ものであること。

iPhoneに標準で付いているタイマーアプリでもいいですね。Apple WatchがあるならApple Watchでもいいでしょう。

とにかく見えることが大切です。

理由は長すぎるタイマーと同じ。見えなくなってしまうと、だんだんと意識から消えていっちゃうんですよ。

なので、できれば常時表示で見える場所に置いておくのがベスト。スマホスタンドを使ったり、スリープタイマーをオフにするなど工夫してみると良いでしょう。

逆に音声アシスタント系のシステムはお勧めしません。タイマーが動いている様子が見えないためです。

マルチタスク対策は短めのタイマーで

いかがでしょうか。

時間を決めてタイマーを動かす。

たったこれだけで大きな効果が得られることがわかったと思います。1円もかからずに今この瞬間から始められる手法ですので、ぜひ取り入れてみてください。

試してみた感想や、気づいたオススメポイントがあればぜひコメントかレターを送ってください。小林が喜びます(笑)

ではまた次回。バイバイ!

yoshiaki-kobayashi

Share
Published by
yoshiaki-kobayashi

This website uses cookies.