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好印象な仕事は『ピークエンド効果』で!たった1ポイントのクレーム減&満足度アップ

・好印象を残し
・クレームを防ぎ
・満足度を高める

同じように仕事をしているのに、なぜか印象が良い人、理由もなく嫌われてしまう人、なぜ差が生まれるのでしょう? ヒントは『ある小さな行動』なんです。社会心理学をベースに解説しますので、ぜひ参考にしてみてください!

『見送り』こそが最大の好印象ポイントである

ズバリ、結論から言いましょう。『見送り』がめちゃくちゃ重要です

ほとんどのビジネスパーソンは『サービスそのものの質が高ければ満足度が高まる』と考えています。レストランなら『食事』、カメラマンなら『写真』、営業なら『提案』です。もちろんこれらの要素が大切な事は言うまでもありません。しかし、『商品だけを良くすればいいのか?』と言われれば答えはNO。人間の印象は驚くほど細かいことで左右されてしまうんです。

ちょっと考えてみましょう。

同じように販売しているにも関わらず、なぜかリピーターが続出する『好印象な人』がいます。反対に、なんだか高頻度でクレームをもらってしまう人もいますよね。この違いって何なんでしょう?

・・・態度?人柄?ルックス?運?

いろんな理由は探せると思います。ですが、ここでは心理学的に理由を紹介したいと思います。それが『ピークエンド効果』です。

他人からの印象を強力にコントロールする『ピークエンド効果』

社会心理学にピークエンド効果と呼ばれるものがあります。
内容は簡単で、人の印象に残るのは『感情のピーク』と『最後(エンド)』である、という法則です。

少し思い出してみてください。

一番最近行った旅行の印象はどうでしたか?

おそらく、あなたの頭の中に浮かんだ映像は、自分自身が1番楽しんでいたシーンではないでしょうか? あるいは、とても驚くような場面や、感動的な展開、そういった『心が動いた』瞬間が思い出されたはずです。

別にドラマのような演出されたシーンでなくても構いません。「個人的に感慨深かった」くらいのものでいいんです。だから人によっては「何もない道を歩いているときにふと考え事をしたシーン」みたいな可能性だってあるでしょう。

とにかく「感情の振れ幅が1番大きかった場面」が印象に残っているはずです。

人の記憶は感情と密接に関わっています。感情が動く場面は記憶に残りやすく、感情が動かない場面は記憶に残りづらいんです。つまり「印象はどうですか?」と聞かれて「最初に頭に浮かぶ映像」や「印象」は「一番思い出しやすい所」というわけですね。

だから、仕事の印象をコントロールするためには『記憶に残りやすいポイント』を押さえておく必要があるんですね。

ピークエンド効果実践の心得『感情のピークはわからない』

さて、「では感情が1番盛り上がる所で良い印象を与えればいいんだな!」となりそうなものですが、ちょっとまってください。

感情がピークになる場所はわかりにくいのです。

さっき思い出した場面をもう一度振り返ってみましょう。必ずしも「イベント的に一番盛り上がる場面」を思い出したわけでは無いはずです。例えばキャンプに行ったのであれば「キャンプファイヤー」が一番の盛り上がりどころですよね? でも、人によっては移動中のふとした瞬間を思い出す人だっているわけです。

つまり、感情のピークは感性によって異なってしまうため、予測がしづらい。実用に難があるわけですね。

そこで、使えるのが「エンド」。終わりの場面です。

ピークエンド効果実践の心得「エンドは確実に使える」

「終わりよければ全てよし」なんて言葉があります。
途中がどうであれ、最後の印象が良ければ全体的に良かった感じがするよね、って意味ですね。実は社会心理学に捉えても、この考え方は理にかなっているんですよ。

また少し想像してみましょう。

仲間と行ったイベントの終わり際、なんだかメンバーとモメて喧嘩みたいになってしまって、うやむやに解散した

こんな状態だと、仮にその前のイベントが最高だったとしても「なんか気持ちよくない」印象になりますよね。そうなんです。感情のピークと同じくらい、最後の場面は頭に残るんです。

そして、いつ来るかわからない感情のピークとは異なり、エンドはほぼ確実に特定できます。

仕事であれば「今日はありがとうございました」と言ってお別れする、その時です。そこでちゃんとしているかどうかで、あなたの印象がガラッと変わってしまう可能性があるってこと。意外と意識してないポイントだと思います。

コラム「だからこそ勉強」
感情のピークはわかりにくいものです。でも、相手について詳しければ、ある程度推測できます。どんな環境で育って、どんな友人に囲まれて育ったのか。何を好み、何を嫌うのか。目標はあるのか。仕事は何か。そんないろいろを知っているほど、相手の感情が動く瞬間が読みやすくなります。
だからこそ、相手を勉強するべきです。たくさんコミュニケーションを取り、人柄を知り、ちゃんと興味をもつことで当てにくいピークまで当てられるようになれるでしょう。

テクニックはブースターみたいなもの。相手を知りたい気持ちが根底に無ければ、形だけのペラペラしたものになってしまいます。覚えておいてくださいね。

コツはなるべく『自然解散』しないこと

とはいえ、仕事の最後は職業柄によって様々ですよね。なんだかドタバタしたまま終わってしまう、そんな仕事もたくさんあります。僕は結婚式のカメラマンをやっているのですが、新郎新婦も当日は忙しく、次のイベントに行かないといけなかったりしてなかなか最後の挨拶ができません。

でも、だからこそ意識して最後のあいさつはしっかりするべきです。

意識的に「ここで終了です」としっかり伝えることで、ちゃんとした「終わりの時間」を始めることができます。手短でいいので、ハッキリと、明るく、感謝を伝え、締めくくりましょう。

この時間があるかどうかでイメージがガッツリ変わります。

「別れたあと」まで設計できているか?

少し想像してみてください。

あなたは、友人と訪れたお店で最高のおもてなしを受け、お店を後にします。見送りまできっちりしてもらい、気持ちよく感じました。そこで友人と一言交わします『・・・いい店だねぇ』

これです。

この、別れたあとに「いやー、あの人ほんとにいい人!」って言ってもらえる状態を想像できているかが大きな差を生みます。

気持ちよく締めくくりの場が作れると、それだけで気持ちに波を作ることができます。あなたのサービスについて振り返る瞬間ができ、お客様の気持ちを動かすきっかけになるんです。つまり「小さなピーク」を意図的に作る手法とも言えます。

もし、きちんと締めくくりもなくモヤッと別れていたらどうでしょう?

あなたのサービスについてお客様は思い出すこともなく、感謝するきっかけもないはずです。忙しさの中に薄っすらと消えていってしまう可能性が高い。ゆえに「いい人だったね!」と思ってもらえるチャンスが無くなっているわけです。

同じ内容を提供しているのに、終わり方だけでこれだけ差が出てしまうとしたら、どうですか?

ちょっとした一工夫をしてみようと思うのではないでしょうか。

きちんと「終わりの場」をつくる。ピークエンド効果がより強められるので、かなり強力な方法です。ぜひお試しください。

見送りをしっかり締めれば、印象はガラッと変えられる

以上です。良くも悪くも、実際の内容より印象に残ってしまう部分ですので、締めくくりはしっかりしたいところですよね。

いい仕事はしてるのに、なかなか評価されない。そんなあなたは「終わり際」を意識してみるといいでしょう。

参考まで!

yoshiaki-kobayashi

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yoshiaki-kobayashi

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