ライフハック

ネガティブ思考やめたいなら「脱フュージョン」。1秒で出来てオススメです。

ネガティブ思考を直したい。
もっとポジティブになりたい。

そのように考えていませんか?

私たちの文化は「ポジティブ思考こそ最高」と教えています。
なので「ネガティブ思考は良くないことだ」「ネガティブ思考を矯正してポジティブ思考に直した方がいいに決まってる」という考え方を持ってしまいがち。

ところが、ネガティブ思考を治す必要はないんです

むしろ、ネガティブ思考は弱点などではなく、あなたが持っている「才能」の一つ。上手に使えば、非常に強力な武器になります。

ただ、『悪いネガティブ思考』があることも事実。
違いを区別して、使い分けることが大切なんですよ。

というわけで、まずはネガティブ思考の性質について知っていきましょう。

ネガティブ思考は『危険予想能力』

私達の能力は、進化の過程で『必要だから』身についたものがほとんど。

ネガティブ思考も同様です。

私たちの祖先は自然の中で生活していました。狩りをして動物を食べたり、木の実を採集して食べる『狩猟採集』というスタイルです。

現代でも近いスタイルの民族もいます

農耕などが始まるよりも昔なので、自分で植物や家畜を育てたりしません。

ある程度、現在居るエリアの食料を食べ終わると、次のエリアへ移動して、今度もまた同じように狩猟と採集を繰り返す。こんな生活をしていたわけです。

そして、次のエリアへ移動する際必要になる能力こそ「危険予想能力」。

もし、初めて行く森の中に猛獣がいたら?
もし、次に行くエリアに他の部族がいて攻撃をされてしまったら?

そういった危険を予測する能力が私たちには必要だったんです。そして、危険を避けながら生き延びた『危険予想能力が高かった人たちの子孫』が私たち現代人。そう、この危険予想能力こそが「ネガティブ思考」の正体。

なのでネガティブ思考は決して悪いものではなく、人間が本来持っているべき必須の機能だと言えるんです。

ネガティブ・ポジティブそれぞれの役割

現代では昔のように命が危険にさらされるケースは少なくなりました。

文化的にも新しいことにどんどん挑戦していくポジティブ思考の人が素晴らしいとされ、「みんなポジティブ思考になろう!」といった教育や文化を形成してきたんです。

ちなみに、ポジティブ思考かネガティブ思考か、というのは遺伝子で決まっていると言われています。そして、人類の多くがネガティブ思考を備えているのは先述の通り。

では、一定数ポジティブな人がいるのは何故なんでしょう?

答えは「ネガティブな人だけでは生活エリアが広がらないから」。
いつまでも同じエリアに引き込もって、外が怖いから出て行かない。それでは狩猟採集の生活は成り立ちません。なので、グループの中に一定数冒険心が強い人、すなわちポジティブ思考の人が生まれていたということなんですね。

なお『完全ポジティブ人間』も『完全ネガティブ人間』もいません。ポジティブな人でもネガティブなことを考えることはありますし、逆もまた然り。『ネガティブ思考な傾向がある』というだけのことなんです。

なんとなく分かってきましたか?

ポジティブ思考・ネガティブ思考というのは、それぞれが持っているただの特性でしかないんです。ネガティブ思考が強いということは、あなたは「危機察知能力が高いという才能を持っている」という見方もできます。是非、弱点と捉えず才能の一つとして捉え直してみましょう。

その方が楽しいですよ。

有害なネガティブ思考

ここまでで、ネガティブ思考が悪いものではないとわかっていただけたと思います。

ところが、『役に立たない有害なネガティブ思考』も存在します。

例えば「自分は何でダメな人間なんだ」「私は無能だ」のような自分に対する否定的なイメージ。危険察知に役立っているわけでもなく、ただ生産性を下げているだけのどうしようもない考えです。

しかもこの手のイメージは頭の中でループしてしまうことが多く、私たちに想像以上のダメージを与えているんです。ここからは、無意味で有害なネガティブ思考を脱するための方法を紹介していきます。

「脱フュージョン」を理解しよう

心理療法で行われているネガティブ思考を抜け出すための手法。名前を脱フュージョンと言います。”脱”フュージョンなので「フュージョンという状態を抜け出す」という意味合いです。

では、フュージョンとはどんな状態でしょう?

まずはフュージョンを理解するために次に各内容をイメージしてみてください。

フュージョンを理解するイメトレ

今、あなたの手には新鮮なレモンがひとつあります。

見るからにフレッシュで、持っているだけでレモンの爽やかな香りが漂ってくるほど。表面にもザラザラした凹凸があり、あなたは手触りでその感触を感じています。

あなたはよく切れるナイフで、そのレモンを1カットスパッと切り出します。そして、その切り出したかけらを口に頬張り、かみしめてください。ブワッとあなたの口の中に新鮮なレモンの果汁が広がります。

すっっっっっっっっっぱい!

顎の奥がキューッとするような感じがしたり、喉がカラカラと焼けるような感じがあるかもしれません。人によっては涙が出てしまうことすらあるほどに、すっぱいレモンの果汁が口いっぱいに広がります。

・・・・どうですか?
イメージできましたか?

おそらく、あなたの口の中には今、ものすごい量の唾液が出ているのではないかと思います。僕もこの文章を書いていて唾液が止まりません(笑)

想像と現実が区別できない脳

さて、今起きた出来事を一歩引いて冷静に見てみましょう。

実は今、不思議なことが起こったんです。あなたの手の中はおろか、あなたの口の中にも当然レモンは存在しません。しかし、あなたは本当にでも食べたかのようにその味を味わいましたし、香りを嗅いだはずです。
そして、何より否定しがたい事実として、あなたの口の中には唾液がたくさん出ているはず

そうなんです。わたしたちの身体は脳内でイメージしているものや、想像しているものを現実として受け止めてしまう性質があるんです。

「現実と想像が区別できない」そんなことを言われると「いやいや!自分はちゃんと現実見て暮らしてますよ!」「妄想の中で生きるような妄想癖がある人じゃありません!」そんなふうに思うかもしれません。
ところが、先ほど体験したように、存在しない想像上のレモンに体が反応してしまうような現象があるわけです。他にも、怖い夢を見ている時、あなたは夢を夢だと認識することができません。あくまで、現実として本当の恐怖を味わっているはず。

私達は脳でものごとを認識しているので、『脳が現実のように感じたこと』が現実なんです。この想像と現実が融合してしまっている状態。これをフュージョン(融合)状態と呼びます。

フュージョンは悪いことではない。しかし・・・

フュージョンは何も悪いことだけではありません。

小説や映画を見たとき、深くキャラクターに共感し、まるで自分が主人公であるかのように感動したり、涙したり、勇気をもらったり、力が湧き出てきたりする感覚はフュージョンによるものです。良い能力ですよね。

しかし、役に立たないネガティブ思考のループと組み合わさってしまった場合はどうでしょう?

私たちは繰り返し自分自身に「自分は無能だ」というイメージを刷り込んでしまいます。そして私たちの脳はイメージと現実の区別ができません。つまり、自分が無能なんだということを真実として受け止めてしまい、それに合わせたふるまいをするようになってしまうのです。

この状態が望ましくないことは説明するまでもないでしょう。なのでこういったネガティブ思考ループのフュージョン状態に陥ってしまった時、そのフュージョンを抜け出すためのテクニックがあったらいいですよね。そう、それが『脱フュージョン』です。

脱フュージョン入門「と思った」法

脱フュージョンにはいくつかのテクニックがあります。

今回は中でも特に簡単である方法「と思った法」を紹介します。やり方はめちゃめちゃ簡単。あなたが何か思考をした時、後ろに「と思った」と付け加えるだけです。

例えば、電車待ちの列で前に割り込まれてしまってイラッとしたとしましょう。「なんでこいつは割り込むんだ!ムカつく!」あなたは思います。そこで「と思った法」を使いましょう。
「なんでこいつは割り込むんだ!ムカつく!と思った」と、後ろにくっつけるだけです。

これだけ。本当にこれだけの方法です。

カンタンなので是非行ってみてください。すぐに効果が実感できるはずです。
ネガティブな感情に支配されているのではなく、ネガティブな感情から一歩引いた視点まで距離が取れている感覚が実際に体感できるでしょう。

たった一言、しかも1秒もかかりません。そんな簡単なことであなたはネガティブな感情から距離を置くことができるようになるんです。試してみる価値はありますよ!

脱フュージョンは鍛えて伸ばせる

脱フュージョンは筋トレと同じようなもの。繰り返し行うことで高い成果を上げられるようになります。

最初はなかなか難しいです。というのも、ネガティブな感情が湧き出してきた時、感情に支配されてしまい脱フュージョンの方法を思い出すことができないことが多いから。

でも、出来る範囲からでいいんです。徐々に徐々に、1回ずつ、思い出したタイミングで「と思った法」を使ってみてください。繰り返すことによってあなたの脱フュージョン力は確実に成長します。

いずれ、激しく怒っていても『そうだ、と思った法を使おう!』と反射的に使えるようになるはずです!

期待しすぎず、『試してみよう』が大切

脱フュージョンは心理療法で使われている方法なので、一定の信頼が置けるとおもいます。

でも、一言で世界が変えられるような魔法の手法ではありません。

効果がなかなか感じられない人がいることも事実です。
でも、そんなとき『やっぱりダメなんだ』と思わないでください。他にも脱フュージョンの手法はたくさんあります。『試してみよう!』くらいでいいんです。

無意味で生産性のないネガティブ思考とちょっとでも距離を取り、その時間を有意義な活動に充てられれば、それで成功と言えます。

どんないい未来も必ず今からの地続きです。ポーンとジャンプする方法はありません。落ち込みすぎず、楽しみながら是非コツコツ習慣化して良いメンタルを手に入れていきましょう。応援しています。

よかったら動画版も用意してますので、こちらも参考にどうぞ。

たった1秒でネガティブ思考をやめられる心理療法の一言【脱フュージョン】

kobatone 小林嘉明

yoshiaki-kobayashi

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  • 私はあなたのブログページが大好きなので、より頻繁に更新してください。ありがとう!

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yoshiaki-kobayashi

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