メンタルが安定していると人生で得することは間違いありません。
人付き合いで突然カッとなってしまって相手を傷つけてしまうことも少なくなりますし、仕事で重要な判断をしなくてはならない時も冷静に判断を下すことができます。メンタルが強い、というだけで人生は好転すると言っても過言ではないくらいなのです。
というわけで、今回はそんな重要なメンタルの鍛え方について解説を行っていきますよ。
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呼吸は即効性ストレス対策
「焦ったら深呼吸をしよう」
なんてよく言いますが、実際、焦っている時に深呼吸してますか?
ドキッ・・・・(してないとは言えない)
でも大丈夫。ほとんどの人ができていないと思います。
しかしながら、呼吸はめちゃくちゃ強力に私たちのメンタルをコントロールする効果を持っているんですよ。やらないと損ってわけ。
呼吸のメンタルコントロール効果を実感しよう
呼吸の効果を実感してもらうために、まずは次に書いてある内容を試してみてください。
まず息を長〜く吐きます。一度肺の中を空にしてから、もう一度息を吸い、さらにもう一度吐き出します。これも長く吐き出してください。
そして、長く息を吐き出している間に「焦った気持ちになれるか」チャレンジしてみましょう。
・・・どうですか?
おそらく焦った気持ちになることは難しかったと思います。出来たとしたらかなり器用な方です。
さて、もう一つチャレンジしてみましょう。
今度は短距離走を走り終わった後の時のような『ハアハア』した息をしてみてください。ちょうど犬の呼吸のような感じですね。
では今度は、そのハァハァした呼吸のまま「落ち着いた気分」になってみてください。
どうでしょう? かなり難しいのではないかと思います。
そうなんです。実は呼吸はメンタルと非常に深く関わっているんです。息を吸っている時には交感神経という『緊張を司る神経』が優位になり、息を吐いている時には副交感神経という『リラックスを司る神経が優位になる』とされています。
だから息を吐いている時はリラックスしてしまうし、吸っている時や息が荒い時には緊張したり興奮したりしてしまうんです。
そのため呼吸の『吸う時間』『吐く時間』をコントロールすれば、私たちは半強制的にメンタルをコントロールすることができる、ってわけです。
メンタルとつながっている体の部位
私たちの体にはメンタルと深くつながっている場所が他にもあります。例えば心臓。焦っている時や興奮している時は心臓が早くなって、落ち着いている時には心臓がゆっくりになる。こういったイメージはあるかと思います。
しかし、私達は心臓の速さを意識的にコントロールすることができません。
「心臓よ!早く動け!」と祈ったところで心臓の動きをコントロールできる人はいないはずですよね(笑)
呼吸は自分でコントロール出来るポイントが強み
ところが、呼吸は自分の意識で変えることができます。普段意識せずとも呼吸している状態ですが、ゆっくり呼吸をしようと思えばゆっくりに出来ますし、早く呼吸をしようと思えば早くすることも、なんなら一定期間止めることだって可能です。
そう、メンタルと深く関わっている体の部位で私たちが意識的にコントロールできる機能、それが呼吸。
メンタルをコントロールする上で呼吸は絶大な威力を発揮します。
息を吐きながら怒ることが難しいように、怒っている時・焦っている時に意識的に息を長く吐くことができれば、あなたの気持ちを強制的に落ち着けることができるわけです。
つまり、呼吸法はどんな時でもできるメンタルコントロール法ってこと。
メンタル基礎体力をあげれば、呼吸はもっと効果的
ここまで読んでいただいて、メンタルをコントロールする上で呼吸の重要性が分かっていただけたと思います。
では、さらに呼吸のメンタルコントロール力を強化する方法があるとしたらどうでしょう? 是非行ってみたいと思いませんか?
メンタルの力は筋力と非常に似ています。言い換えると、基礎体力のようなものがあるんです。
例えば、普段から鍛えている人の方が体を上手に使えますよね。サッカーのコツをアドバイスされたら、素人でもそれなりの動きができるかもしれません。ところが、やっぱり日頃からサッカーを練習している人であればもっと上手にサッカーを行うことができます。
そう、メンタルにも「基礎トレーニング」存在するってこと。そして、それが『瞑想』。
瞑想はメンタル基礎体力を底上げするトレーニング
瞑想って怪しくない?
瞑想、と聞くと怪しいイメージを持っている方も多いのではないでしょうか?
「ちょっと怪しいセミナーでやってるんじゃないの?」「新興宗教ぽいイメージだな」そういった、スピリチュアルで神秘的なイメージを持っている方も少なくないかと思います。
一方で「googleが社内研修で瞑想を取り入れているよ」といった話や「appleの元CEO・スティーブジョブズが瞑想を取り入れていた」など、ビジネス界隈で注目されているという話も耳にします。
「なんだか有益そうだけど、少し不安だからとっつきづらいな」
そう思って後回しにしていた、なんて人も多いハズ。
では、まず瞑想がどんなものなのか知ることで不安を解消していきましょう。
正直な話、怪しい瞑想は「ある」
まず、先に言っておくと、怪しい瞑想はあります。
瞑想の「よくわからないもの」という点を利用して「瞑想すれば願いが何でも叶うんですよ」のような人の弱みにつけ込む人たちが一定数いるんです。理由は単純。お金稼ぎになるから。
普通に考えれば、そんな奇跡はありえません。でも、心が疲れていたり余裕がないと騙されてしまうケースもあるんですね。
「よくわからないもの」だから神秘的なイメージを付けやすく、説得力をもたせることに使いやすい。自分から瞑想という「行動」をさせることで、よりのめり込ませる事ができる。。。
ようするに、演出としての瞑想、です。
もちろん、僕もすべてを知っているわけではないので、世界のどこかに奇跡の瞑想があるかもしれません。でも、僕はそんなものは知らない。
僕が紹介できるのは、なんてことのない、メンタルトレーニングとしての瞑想だけです。
googleやジョブズが取り入れている瞑想法。その中身を聞けばきっと安心できるはず。次章では早速その内容を見ていきましょう。
マインドフルネス瞑想
瞑想にはたくさんの種類があります。
その中でも、googleやスティーブジョブズが取り入れていたものは「マインドフルネス瞑想」と呼ばれるジャンルの瞑想。マインドフルネスとは『今、この瞬間を全力で観察する行為』のことを言います。
少し漠然とした言い方なので、もう少し具体的にわかりやすく解説していきますね。言ってみればマインドフルネス瞑想とは大きなジャンル名称。集中する対象によって『〇〇瞑想』とか『マインドフル〇〇』といった言い方に変化します。
例えば呼吸に集中する『呼吸瞑想』。他にも食事に集中する『食事瞑想』や、歩くことに集中する『歩行瞑想』など、対象物ごとに瞑想の呼び名が変わるようなイメージですね。
集中、と言われても漠然としていると思います。もう少し理解度をあげるために、分かりやすい食事瞑想を例に上げて解説を行いますね。
食事に集中する「食事瞑想」でマインドフルネスのイメージをつかもう
食事瞑想はその名の通り『食事に全力で集中する瞑想方法』です。
「そんなことで瞑想になるの?」
そう思うかもしれません。でも、本当にこれだけの方法です。
普段、私たちはご飯を食べる時、テレビやYouTube動画を見ながら食事をしたりしています。いわゆる「ながら食い」ですね。そして、マインドフルネスの考え方では、ながら食い状態を「マインドフルな状態ではない」と表現します。
反対に、マインドフルな状態とは『全力で食事を楽しんでいる状態』のこと。
言ってみれば、『食べてる時は食べることしかしない』ってイメージ。
さらに具体的に見ていきましょう。
【例題】白米で食事瞑想してみる
食事瞑想の際は、茶碗に盛られた白米に対して次のような見方をします。
まず目で観察。
- お米のつや感はどうだろうか?
- 暖かそう?冷たそう?
- 湯気は出ている?
- 真っ白なのか?少し色が付いているのか?
こんな感じで特徴を観察します。
次に香りを確かめます。
- 甘そうな香りなのか?そうではないのか?
- 少し酸っぱいような感じがするのか?
- 爽やかな香りなのか?
香りをしっかりと嗅いでいきましょう。
次に、ようやく味を確かめます。口の中に入れたら、舌触り、歯ごたえ、硬さなどを観察。そして、いきなり飲み込むことはせず、ゆっくりと噛んで味の変化も楽しみます。
上記がが済んだら、ようやく飲み込むわけですが、飲み込む際にさらに「のどごし」なども確認しておくといいでしょう。
このように、五感を使って『全力で食事を楽しむ』という非常にシンプルな行為。これが食事瞑想です。
同様な観察を呼吸など他の行為に置き換えれば、呼吸瞑想になるイメージですね。なんとなくわかってきたかと思います。
なぜマインドフルネスがいいのか?
ながら生活で集中できなくなっている
先ほども触れたとおり私たちは「ながら〇〇」のような行為をしてしまいがち。反対に『一つのことに没頭できる瞬間』はなかなか少ないもの。
仕事中であっても、誰かから話しかけられる、電話が鳴ってしまう、等の理由で作業に没頭して集中することは少ないのではないでしょうか? 私たちは常に外部の刺激に晒されることによって『一つのことに集中できない状態』になってしまっているんです。
没頭が満足を生み出す
ところが、好きな趣味やゲームに没頭している時は『気づいたら時間が経っていた』なんて経験もありますよね。誰にとっても『非常に満足度の高い時間』だと思います。実は近年の心理学でも『没頭している状態こそが幸福度が高いよ』ということが分かってきているんです。
マインドフルネス瞑想を行えば『マインドフルな状態に入るためのスイッチの切り替え』が上手になります。つまり、満足度の高い時間を作る能力が上がり、さらには人生の質そのものを上げることができる、ということです。
マインドフルネス瞑想は集中力の筋トレです。鍛錬することによって集中力の基礎体力を上げて、より深い集中をさらに長時間発揮できるようにするカラダ作りみたいなものなんですね。
参考文献
Mindfulness Broadens Awareness and Builds Eudaimonic Meaning: A Process Model of Mindful Positive Emotion Regulation
https://www.researchgate.net/publication/284709371_Mindfulness_Broadens_Awareness_and_Builds_Eudaimonic_Meaning_A_Process_Model_of_Mindful_Positive_Emotion_Regulation
さらに、感情のコントロールが上手くなる
マインドフルネス瞑想には感情のコントロールが上達すると側面もあります。長年瞑想している人は脳の灰白質が増えることがわかっているんです。灰白質は感情のコントロールに関わっている部位であるため、感情のコントロールが上手になると言えるわけですね。
ちなみに、『感情に鈍感になる』と言っているわけではありません。傷ついたり怒ったりする事は普通にあります。凹むことは凹むんですが、そこから立ち直る力が強くなる。といったイメージを持っていただくとより正解に近いと思います。
他にも睡眠の質が向上する、心肺機能が良くなる、などのデータも出てきていますので、試してみる価値は十分にあるのではないでしょうか。もし興味を持っていただけたら以下で瞑想の解説を行っていきますのでぜひ試してみてください。
参考文献
How Meditation May Change the Brain
https://well.blogs.nytimes.com/2011/01/28/how-meditation-may-change-the-brain/
瞑想ビギナーには呼吸瞑想がオススメ
瞑想を始めてみようと思った方に一番オススメしたいのが呼吸瞑想。
ビギナーが一番最初にやることが多いタイプの瞑想です。呼吸という『日常的にこなしていること』に集中するだけなので安心感もありますよね。呼吸のメンタルコントロール能力が高いことは先に述べた通り。かなり心が落ち着く状態を実感しやすい瞑想ですので、初心者の入り口にぴったりなんです。
早速簡単な呼吸瞑想の方法について解説していきましょう。
瞑想を行う場所『落ち着ける環境』
静かな場所を用意しましょう。自分の部屋でもいいですし、自然の中でもグッド。とにかく『落ち着いて何かに集中できる環境』を用意することが非常に重要なので、蒸し暑くて気が散りやすいような部屋や、周りがうるさい環境は避けましょう。
慣れてきたら電車内などノイズの多い環境でもできるようになりますが、最初のうちは静かな環境を用意することをお勧めします。
瞑想時の姿勢『座ってなくてもOK』
次に姿勢です。瞑想と聞くとあぐらを少し変形させてかかとを両足の上に乗っけている『結跏趺坐(けっかふざ)』という座り方を想像する方も多いのではないでしょうか? ところが、必ずしも結跏趺坐にする必要はありません。
椅子に座っていただいてもいいですし、立っていてもいいです。なんなら歩きながらでも構いません。とにかく呼吸に集中することがメインですので、呼吸に集中できれば姿勢は好きな体勢で構いません。
ただ一つ注意点があるとすれば、背筋は伸ばしておきましょう。背中がまっすぐな状態だと脳への血流が増えますので、瞑想の効果は高くすることができます。猫背にならないことに注意しておくと良いでしょう。
呼吸瞑想開始『呼吸は長く吐く』これだけ!
環境と姿勢が整ったら早速呼吸を開始していきます。ヨガには様々な呼吸法があり上級者になると難しい呼吸なども取り入れたりします。でも、まずはシンプルな呼吸から始めましょう。難しいと挫折したりしますからね。
ポイントは『長く吐く』だけです。
先述の通り呼吸は「吸う」と「吐く」で緊張とリラックスがコントロールできます。なので、まずは深いリラックス感を味わうために『吐く息を長くする』ことに意識を向けてみましょう。もちろん、息が苦しくない範囲でOK。
呼吸中の息が当たるポイントへ意識を向ける
次に『息が当たる場所』を意識していきます。
例えば、息を吸う時は冷たい空気を取り入れるので『鼻の奥が冷たくなるような感じ』があるはず。さらに『風が当たる場所』などを観察してみて、そこに意識を向けるようにしてみてください。
息を吐く時は体の中で温まった空気が出て行くので鼻の奥や喉に熱い感覚があると思います。その熱い感覚がどこに当たっているのか?そこに注意を向けてみましょう。
たったこれだけ。
意識はそれてもOK
たったこれだけなのですが、最初は集中力を保たせることが非常に難しいと思います。呼吸に集中しようと思っていても『仕事のこと』を考えてしまったり『過去の思い出』がふと頭の中をよぎったりするはずです。
そこで『なんで私は集中力がないんだろう』なんて必要はありません。
筋トレは筋肉を伸ばしたり縮めたりすることで効果が出ますよね? 同様に、瞑想では逸れた集中を呼吸に戻す時にトレーニング効果が出ます。
なので意識が逸れても悲観することなく『それた意識を呼吸に戻す』作業を繰り返してください。意識を戻せば戻すほど、戻す回数が多ければ多いほどあなたの精神力は確実に鍛えられているはずです。
瞑想は初心者ほど効果が高い
瞑想は初心者ほど効果が高いといわれています。なぜなら、初心者ほど意識がそれる回数が多いので、戻す回数も当然多くなりますよね? そのため、トレーニングの効果が出やすい、ということなんです。
瞑想これから始めようという方には非常に嬉しい話だと思いますので是非前向きな気持ちで取り組んでみてください。
呼吸瞑想は3分くらいから始めよう
瞑想を行う長さはどれくらいがいいのでしょう?
ある研究(下記にリンクあり)では20分の瞑想を週4回行ったところ、ワーキングメモリが増える結果が出ています。ところが、初心者がいきなり20分も瞑想をやることは非常に困難です。
まずは3分から5分で構いません。一気にたくさんやるよりも毎日習慣化させることの方がはるかに重要ですので、1日3分程度からスタートしてみることを僕はお勧めします!
挫折しない、続けられる。
コレめっちゃ大切。
慣れてきて『3分じゃ物足りないな』と思ってきたら時間を徐々に伸ばして行ってレベルアップしていくと良いでしょう。目標としては、10分から15分程度で活力が湧いてくる『アクティベーション』という状態になると言われていますので、まずは10分程度を目標に伸ばしていくと良いと思います。
参考文献
Mindfulness Training Improves Working Memory Capacity and GRE Performance While Reducing Mind Wandering
https://journals.sagepub.com/doi/abs/10.1177/0956797612459659?rss=1&;ssource=mfr
[まとめ]健康のためにも『ただの呼吸』から始めてみては?
いかがでしょうか?マインドフルネス瞑想、その中でも呼吸瞑想について詳しく解説させて頂きました。『普段行っている呼吸にただ集中するだけ』なのでオカルト的な怖さはなかったんじゃないかと思います。
深く呼吸することは健康にいいことは間違いないので、健康のためにもゆっくり時間を取って呼吸する習慣を身につけてみてはどうでしょうか? そして、慣れてきたらレベルアップで他の呼吸法や他の瞑想法にチャレンジしてみるとさらに楽しいと思います。
継続期間は2週間程度から効果の実感できると言われていますので、『最初はこれで合ってるのかな』って気持ちになるはずです。ですが諦めずに2週間程度頑張って続けていただくと効果を実感できる可能性が高いはず。
よかったら試してみてください。ではまた別の記事でお会いしましょう。kobatoneの小林嘉明でした。バイバイ。
白い石鹸ディスペンサー says
この素晴らしい記事をありがとう。私たちと共有していただきありがとうございます。
yoshiaki-kobayashi says
いえいえ、コメントありがとうございます!