今日のテーマは、言葉の定義。
表現力を上げたい人はもちろん、メンタルを強くしたい人、コンテンツを楽しみたい人、賢く生きたい人にもオススメの内容です。よかったら見ていって下さい。
今回お届けする内容はこちら
西野亮廣は「忙しくてテンパる」を知りたい
先日西野亮廣さんのラジオでこんなことを言っていました。
『忙しくてテンパる、が理解できない』
ちょうど良い題材だと感じましたので、取り上げさせていただきます。
元動画のリンクを貼っておくので、ちゃんと見たい方はこちらからどうぞ。
内容を簡単にまとめると下記のようになります。
- 西野さんは「忙しくてテンパる」がわからない
- 「テンパる」そのものは理解できる
- 例)グリズリーに遭遇したらテンパる
- だが、忙しくてもテンパらない
- そこでstand fmリスナーとディベートした
- リスナーさんにとって“10,000件のメール返信”は『テンパる』
- “一件のメール返信”はテンパらない
- 例題を二件三件と増やしていくと…よくわからなくなった
- 西野さん『誰か教えて』
みたいな感じ。
面白いですね。早速掘り下げていきましょう。
二つの“すれ違い”
まず、この問題には大きく二つの“すれ違い”があります。
- 問題処理スタイルの違い
- 定義の違い
これだけだとわからないと思うので、それぞれ見ていきましょう。
問題処理スタイルの違い
西野スタイル
まず、問題に対処するときのスタイルが違います。“ 10,000件のメール返信”に対して、西野さんはスタートからゴールまでクリアに見えている感じ。
- メール1通返すのは問題ないよね
- メール2通返すのも問題ないよね
- と言う事は100件でも1000件でも同じ
- はい、10,000件でも問題ありません
みたいなこと。例えるなら数学的帰納法みたいなものです。(例えがめんどくてごめん)
自然数nに対して、n= 1を証明して、n+1を証明して、ならばすべての自然数に当てはまりますよね。みたいなことです。
ミクロからマクロまで全部見えていて、論理的に処理すれば問題ない、ってスタイルで処理してるわけですね。
リスナースタイル
ところが、みんながみんな西野スタイルではありません。
“ 10,000件のメール返信”と言われると、“ 10,000件”のインパクトにあたまを持っていかれてしまう。
『そんなにあるなんてどうしたらいいかわからない!』となってしまうのです。
なんとなくいっぱいあるし、すごく大変そう。どこから手をつければいいのやら…そんな感じ。
“作業全体をふわっとしたイメージで捉える”処理スタイルといえます。
だから『一件ならどう?』と聞かれればテンパらない。ただし、“一件ずつの積み重ねで10,000件ができている”という思考にはならないのです。
なので理解が違って当然と言えましょう。ただ、ここで注意して欲しい点は“どっちが優れてる”って話じゃないってこと。あくまで“違い”です。
あしからず。
言葉の定義が違う
実はこの問題、そもそも言葉の定義が違うのです。掘り下げていきましょう。
西野スタイル
西野さんが理解できると言っている“グリズリーが目の前にいたらテンパる”。
この“テンパる”は『恐怖におののく』とか『焦る』みたいな意味ですね。
他にも西野さんが理解できる内容としてラジオ内では“明日までに映画の台本を考えてこいと言われたらテンパる”と発言してました。
こちらも『焦り』や『不安』の意味ですよね。
リスナースタイル
“忙しくてテンパる”
“10,000件のメール返信でテンパる”
この表現はどちらかと言えば『いっぱいいっぱいです』『余裕ありません』みたいなニュアンスですよね。
『とにかくもう限界です!』的な感じ。西野さんの表現と違うのですよ。
当てはめるとわかる
言葉を置き換えてみると分りやすくなります。
“ 10,000件のメール返信で恐怖におののく”
まあ、一部の人は該当するかもしれませんが、ちょっとニュアンス違いますよね。
言葉の定義が広いから起こる
これは『テンパる』の定義がめちゃくちゃ広いから起きる現象と言えます。
『ヤバい』とかも同じですね。『凄く良い』なのか『めちゃくちゃ悪い』なのかわからないけど両方使えますから。
西野さんは“恐怖・不安系”のテンパる。リスナーさんは“処理能力限界系”のテンパる。なのです。
言葉の定義を深めよう
近年の心理学では、『感情の言語化が上手な人はメンタルコントロールがうまい』とされています。
『ムカつく』『サイコー』の二択ではなくて、もっと細かく感情の分類をできるようにする事で、感情といい感じに距離をとりつつコントロールができるようになるわけですね。
なので今回のような事例があった場合、自分なりに分析してみると面白いですよ。“自分なりの定義”でいいので、とにかく考えてみることが大切です。ぜひチャレンジしてみましょう。
追伸・西野さんの放送をネタとして使わせていただきました。ありがとうございます。また、便宜上考え方のスタイルとして「リスナースタイル」としましたが、特定のリスナーさんを指摘するような内容では無いことをご留意ください。
あくまで、『言葉の定義を掘り下げると面白いよ』をわかりやすく伝えるための表現です。
それではまた次回お会いしましょう。バイバイ。
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